深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「ところで、リンクの頼みって、何なんだ?
それに、なんでオレを選んだんだよ?」

「まぁ、それについてはもうちょっと後で話すよ。
なんでお前を選んだかっていうのは…お前にはボクの姿が見えたからだな。」

「そんなことが関係あんのか?」

「大ありさ!
ボクらの姿が見えない者には、ボクらの頼みは叶えられない。
…っていうかさ、見えない者に話が出来るか?」

「そりゃあ、そうだな。
でも、見える奴ってそんなに少ないのか?」

「あぁ…めったにいない。
 昔は誰にでも見えたらしいが、今では見える者はごくわずかだ。」

その時、オルジェの頭にある疑問が思い浮かんだ。


「じゃ、今のこの光景を、リンクのことが見えない奴が見たら…」

「……間違いなくお前のことをおかしな奴だと思うだろうな…
見えない相手に向かって、ひとりで喋ってるんだから。」

涼しい顔でリンクはそう言った。

オルジェは焦ってきょろきょろとあたりを見回したが、幸い誰もいなかった。



(…良かった…)

オルジェはホッと胸をなでおろす。



「さぁ、そろそろ寝るか!
明日は早いからな!」

「早いって…そんな早くからどこに行くんだ?」

「ボク達の村さ。」

「リンクの村?」

オルジェはそう聞き返すと、地図を広げた。



「リンクの村はどのあたりなんだ?」

「こんな地図には載ってないさ。
これは人間の地図だからな。」

「どういうこと?」

「話してもおまえにはわからないさ。
黙ってついてくれば良いんだよ。
さぁ、もう寝るぞ!」



(……感じ悪い奴…)



可愛い顔とは裏腹に口の悪いリンクに返す言葉がみつからず、オルジェもその場に横になった。



(町を出て初めての夜が野宿とは…こんな所で眠れるかなぁ?)

そんな心配は何の意味も持たず…
目を閉じた瞬間、オルジェは眠りに就いていた。

 
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