深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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scene 3

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 歩く、歩く、歩く…。

ひたすらオルジェはリンクと北を目指して歩いていた。

いや、正確に言えばオルジェはリンクを肩に乗せて…。


「なぁ、ホープシーの村に行ってどうするんだ」

オルジェは涼しげな顔で旅を楽しんでいる、小生意気なリュタンに話しかけた。

「ホープシーはあくまで通過点さ。ボクらが目指すのは、もっともっと遠くの土地だ」

「あ、そう…。で、最終目的地はどこだよ。大体何のために、お前だけじゃなくオレまで一緒に行かなきゃならないんだ」


「…今は言えない」


「なっ…一体いつになったら話してくれんだよ」


何も知らされずリンクの足代わりに使われるのは、かなり悔しい。

オルジェは教会を離れ自由を手に入れたと喜んでいたのに、結局は誰かに命令されて動いている。

その事に気づき、彼はカチンときた。


「わっ、何すんだ!!」

肩の上のリンクを捕まえると、首根っこを持って自分の顔の前にぶら下げる。

「離せよっ」

小さなリュタンは手足を動かして、ジタバタと暴れた。


「てめぇ、いい加減に本当の事を言わねーと、袋に詰めて道端に捨てるぞ」

「そんな事をしたら、足止めの術をもう一度かけてやる!!ここから動けないようにな」


オルジェの言葉に、リンクも負けじと反撃をする。

「うわ、憎たらしい態度だぜ」

「そんな事を言ってる場合か?」


急にリンクがニヤリと意地悪な笑みを浮かべて言った。

「何だよ」


「さっきから横を通る人間が、お前の事を変な目で見ているぞ」

「!!」

言われて、オルジェははっとなった。

ついつい自分にはリンクが見えるから当たり前のように話していたが、普通の人間に彼の姿は見えていないのだった。

「ここで足止めの術をかけられても、今のお前の様子を見ていた人間は誰も助けくれないぞ」


(畜生…)


言葉でも力でも勝てず、オルジェはリンクを肩に戻すと、恥ずかしさのあまりダッシュでその場を走り去った。

 
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