47 / 291
scene 3
9
しおりを挟む
*
歩く、歩く、歩く…。
ひたすらオルジェはリンクと北を目指して歩いていた。
いや、正確に言えばオルジェはリンクを肩に乗せて…。
「なぁ、ホープシーの村に行ってどうするんだ」
オルジェは涼しげな顔で旅を楽しんでいる、小生意気なリュタンに話しかけた。
「ホープシーはあくまで通過点さ。ボクらが目指すのは、もっともっと遠くの土地だ」
「あ、そう…。で、最終目的地はどこだよ。大体何のために、お前だけじゃなくオレまで一緒に行かなきゃならないんだ」
「…今は言えない」
「なっ…一体いつになったら話してくれんだよ」
何も知らされずリンクの足代わりに使われるのは、かなり悔しい。
オルジェは教会を離れ自由を手に入れたと喜んでいたのに、結局は誰かに命令されて動いている。
その事に気づき、彼はカチンときた。
「わっ、何すんだ!!」
肩の上のリンクを捕まえると、首根っこを持って自分の顔の前にぶら下げる。
「離せよっ」
小さなリュタンは手足を動かして、ジタバタと暴れた。
「てめぇ、いい加減に本当の事を言わねーと、袋に詰めて道端に捨てるぞ」
「そんな事をしたら、足止めの術をもう一度かけてやる!!ここから動けないようにな」
オルジェの言葉に、リンクも負けじと反撃をする。
「うわ、憎たらしい態度だぜ」
「そんな事を言ってる場合か?」
急にリンクがニヤリと意地悪な笑みを浮かべて言った。
「何だよ」
「さっきから横を通る人間が、お前の事を変な目で見ているぞ」
「!!」
言われて、オルジェははっとなった。
ついつい自分にはリンクが見えるから当たり前のように話していたが、普通の人間に彼の姿は見えていないのだった。
「ここで足止めの術をかけられても、今のお前の様子を見ていた人間は誰も助けくれないぞ」
(畜生…)
言葉でも力でも勝てず、オルジェはリンクを肩に戻すと、恥ずかしさのあまりダッシュでその場を走り去った。
歩く、歩く、歩く…。
ひたすらオルジェはリンクと北を目指して歩いていた。
いや、正確に言えばオルジェはリンクを肩に乗せて…。
「なぁ、ホープシーの村に行ってどうするんだ」
オルジェは涼しげな顔で旅を楽しんでいる、小生意気なリュタンに話しかけた。
「ホープシーはあくまで通過点さ。ボクらが目指すのは、もっともっと遠くの土地だ」
「あ、そう…。で、最終目的地はどこだよ。大体何のために、お前だけじゃなくオレまで一緒に行かなきゃならないんだ」
「…今は言えない」
「なっ…一体いつになったら話してくれんだよ」
何も知らされずリンクの足代わりに使われるのは、かなり悔しい。
オルジェは教会を離れ自由を手に入れたと喜んでいたのに、結局は誰かに命令されて動いている。
その事に気づき、彼はカチンときた。
「わっ、何すんだ!!」
肩の上のリンクを捕まえると、首根っこを持って自分の顔の前にぶら下げる。
「離せよっ」
小さなリュタンは手足を動かして、ジタバタと暴れた。
「てめぇ、いい加減に本当の事を言わねーと、袋に詰めて道端に捨てるぞ」
「そんな事をしたら、足止めの術をもう一度かけてやる!!ここから動けないようにな」
オルジェの言葉に、リンクも負けじと反撃をする。
「うわ、憎たらしい態度だぜ」
「そんな事を言ってる場合か?」
急にリンクがニヤリと意地悪な笑みを浮かべて言った。
「何だよ」
「さっきから横を通る人間が、お前の事を変な目で見ているぞ」
「!!」
言われて、オルジェははっとなった。
ついつい自分にはリンクが見えるから当たり前のように話していたが、普通の人間に彼の姿は見えていないのだった。
「ここで足止めの術をかけられても、今のお前の様子を見ていた人間は誰も助けくれないぞ」
(畜生…)
言葉でも力でも勝てず、オルジェはリンクを肩に戻すと、恥ずかしさのあまりダッシュでその場を走り去った。
0
あなたにおすすめの小説
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
華都のローズマリー
みるくてぃー
ファンタジー
ひょんな事から前世の記憶が蘇った私、アリス・デュランタン。意地悪な義兄に『超』貧乏騎士爵家を追い出され、無一文の状態で妹と一緒に王都へ向かうが、そこは若い女性には厳しすぎる世界。一時は妹の為に身売りの覚悟をするも、気づけば何故か王都で人気のスィーツショップを経営することに。えっ、私この世界のお金の単位って全然わからないんですけど!?これは初めて見たお金が金貨の山だったという金銭感覚ゼロ、ハチャメチャ少女のラブ?コメディな物語。
新たなお仕事シリーズ第一弾、不定期掲載にて始めます!
【完結】メルティは諦めない~立派なレディになったなら
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
レドゼンツ伯爵家の次女メルティは、水面に映る未来を見る(予言)事ができた。ある日、父親が事故に遭う事を知りそれを止めた事によって、聖女となり第二王子と婚約する事になるが、なぜか姉であるクラリサがそれらを手にする事に――。51話で完結です。
どうぞお好きになさってください
みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。
婚約者の第一王子殿下は言った。
「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」
公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。
「好きになさればよろしいわ」
『【朗報】ボッチの僕、実は世界一の財閥の御曹司だった。〜18年の庶民修行を終えた瞬間、美少女11人が「専属秘書」として溺愛してくる件〜』
まさき
青春
「あんたみたいなボッチ、一生底辺のまま卒業ね」
学園の女王、高飛車な生徒会長、そして冷徹な美少女たち……。
天涯孤独でボッチな僕、佐藤(※苗字のみ使用)は、彼女たちからゴミを見るような目で見られ、虐げられる日々を送っていた。
だが、彼らには決して言えない秘密があった。
それは、僕が世界一の資産を誇る**『世界最強財閥』の唯一の跡継ぎであること。
そして、18歳になるまで一切の援助を受けずに生き抜く【庶民修行】**の最中であること。
そして運命の誕生日、午前0時。
修行終了を告げる通知がスマホに届いた瞬間、僕の世界は一変する。
「おめでとうございます、お坊ちゃま。これより『11人の専属秘書候補』による、真の主従関係を開始いたします」
昨日まで僕を蔑んでいた学園の美少女たちが、手のひらを返して膝をつく。
彼女たちの正体は、財閥が僕のために選りすぐった、愛が重すぎるエリート秘書たちだった――。
「ずっとおそばでお仕えしたかったんです……」
「昨日までの暴言は、修行を完遂させるための演技。今日からは全身全霊で甘やかさせていただきますね?」
24時間体制の過保護な奉仕、競い合うような求愛、そして財力による圧倒的なざまぁ。
ボッチだった僕の日常は、11人の美女たちに全肯定され、溺愛し尽くされる甘すぎる生活へと塗り替えられていく。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
めぐみ
歴史・時代
お民は江戸は町外れ徳平店(とくべいだな)に夫源治と二人暮らし。
源治はお民より年下で、お民は再婚である。前の亭主との間には一人息子がいたが、川に落ちて夭折してしまった。その後、どれだけ望んでも、子どもは授からなかった。
長屋暮らしは慎ましいものだが、お民は夫に愛されて、女としても満ち足りた日々を過ごしている。
そんなある日、徳平店が近々、取り壊されるという話が持ちあがる。徳平店の土地をもっているのは大身旗本の石澤嘉門(いしざわかもん)だ。その嘉門、実はお民をふとしたことから見初め、お民を期間限定の側室として差し出すなら、長屋取り壊しの話も考え直しても良いという。
明らかにお民を手に入れんがための策略、しかし、お民は長屋に住む皆のことを考えて、殿様の取引に応じるのだった。
〝行くな!〟と懸命に止める夫に哀しく微笑み、〝約束の1年が過ぎたから、きっとお前さんの元に帰ってくるよ〟と残して―。
あなたの幸せを祈ってる
あんど もあ
ファンタジー
ルイーゼは、双子の妹ローゼリアが病弱に生まれたために、「お前は丈夫だから」と15年間あらゆる事を我慢させられて来た。……のだが、本人は我慢させられていると言う自覚が全く無い。とうとう我慢のしすぎで命の危機となってしまい、意図せぬざまぁを招くのだった。
ドアマットだと自覚してないドアマット令嬢のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる