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scene 8
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(辛い役目だけど、私がやらないと、大変なことになってしまう。
悩んでる時間はないわ。)
責任感で押しつぶされそうになり、怖さでケイトの身体が震えた。
溢れて来る涙を拭い、きっぱりとした顔つきでケイトは部屋を出た。
「ランディさん、ちょっとお散歩にいきませんか?」
夜も更け、皆がそろそろ眠りに就く頃、ケイトはランディに誘いをかけた。
「どうしたんだ?ケイトが誘ってくれるなんて珍しいな。
しかも、こんな遅くに……」
「……実は、ちょっとお話したいことがあって…」
「話?そうか…じゃ…」
「森に行きましょうか?
あそこなら、人が来ないし…」
「そうか…聞かれたくない話なんだな。
じゃ、そうしよう…」
ランディとケイトがこっそりと家を抜け出すのを、オルジェはそっとみつめていた。
「ここなら誰も来ない。
いや、こんな夜更けにこの森にやってくる奴自体いないけどな。」
ランディはそう言いながら微笑むと、二人はその場に並んで座った。
「ランディさん、実はオルジェのことなんですが…
今はまだ詳しいことは言えないんですが、イアン牧師からある話を聞かされて…
それがちょっと深刻な話だったんで…私、どうしたら良いのかわからなくて…」
しなだれかかるケイトをランディは抱き締めた。
「ケイト…大丈夫だ。
俺がついてる。」
「本当?ランディさん?」
「あぁ…
俺は君のためなら、どんなことだってする覚悟さ。安心しろよ。」
「ランディさん、嬉しい!
私…私、前からランディさんのことが…ランディさん…」
ケイトの柔らかな唇を感じたランディは咄嗟のことに身を固くした。
「ケ、ケイト…一体、どうしたんだ?!」
「ごめんなさい、ランディさん!
恥ずかしいわ…私ったら一体何を…」
ランディに背を向けたケイトを、ランディは後ろから抱き締める。
「よほど心細かったんだな。
でも、もう一人で心配することはない。
これからは、なんでも俺に話してくれ。」
「ランディさん、本当に…?
本当に信じて良いんですか?」
「もちろんさ。」
「じゃあ、ランディさんも私には隠し立てをしないって誓ってくれますか?」
「あぁ、君には隠し事なんてしないよ。」
「じゃ…じゃあ…風に眠る炎のありかは…?」
「そ、それは…
いや、隠してるわけじゃないんだ。
知ってしまうと、君まで危険な目にあってしまうかもしれないから、それが心配で…」
(辛い役目だけど、私がやらないと、大変なことになってしまう。
悩んでる時間はないわ。)
責任感で押しつぶされそうになり、怖さでケイトの身体が震えた。
溢れて来る涙を拭い、きっぱりとした顔つきでケイトは部屋を出た。
「ランディさん、ちょっとお散歩にいきませんか?」
夜も更け、皆がそろそろ眠りに就く頃、ケイトはランディに誘いをかけた。
「どうしたんだ?ケイトが誘ってくれるなんて珍しいな。
しかも、こんな遅くに……」
「……実は、ちょっとお話したいことがあって…」
「話?そうか…じゃ…」
「森に行きましょうか?
あそこなら、人が来ないし…」
「そうか…聞かれたくない話なんだな。
じゃ、そうしよう…」
ランディとケイトがこっそりと家を抜け出すのを、オルジェはそっとみつめていた。
「ここなら誰も来ない。
いや、こんな夜更けにこの森にやってくる奴自体いないけどな。」
ランディはそう言いながら微笑むと、二人はその場に並んで座った。
「ランディさん、実はオルジェのことなんですが…
今はまだ詳しいことは言えないんですが、イアン牧師からある話を聞かされて…
それがちょっと深刻な話だったんで…私、どうしたら良いのかわからなくて…」
しなだれかかるケイトをランディは抱き締めた。
「ケイト…大丈夫だ。
俺がついてる。」
「本当?ランディさん?」
「あぁ…
俺は君のためなら、どんなことだってする覚悟さ。安心しろよ。」
「ランディさん、嬉しい!
私…私、前からランディさんのことが…ランディさん…」
ケイトの柔らかな唇を感じたランディは咄嗟のことに身を固くした。
「ケ、ケイト…一体、どうしたんだ?!」
「ごめんなさい、ランディさん!
恥ずかしいわ…私ったら一体何を…」
ランディに背を向けたケイトを、ランディは後ろから抱き締める。
「よほど心細かったんだな。
でも、もう一人で心配することはない。
これからは、なんでも俺に話してくれ。」
「ランディさん、本当に…?
本当に信じて良いんですか?」
「もちろんさ。」
「じゃあ、ランディさんも私には隠し立てをしないって誓ってくれますか?」
「あぁ、君には隠し事なんてしないよ。」
「じゃ…じゃあ…風に眠る炎のありかは…?」
「そ、それは…
いや、隠してるわけじゃないんだ。
知ってしまうと、君まで危険な目にあってしまうかもしれないから、それが心配で…」
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