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「オルジェ…許して…私…私…」
「ケイト…何も言わなくて良いんだ…
わかってるよ、俺やトレルを助けたい一心だったんだろう?
それで、自分の身体を犠牲にして…ケイト…すまない。
おまえにそんな辛い想いをさせて…」
オルジェはケイトの涙を指で拭い、その顔に口付けの雨を降らせる。
「オルジェ…許してくれるの…?
こんな汚れた私を…」
「ケイトは汚れてなんかいないさ。
俺にとっては、天使以上の存在だよ。」
「オルジェ…」
トレルは、洞窟の外に漏れ聞こえるケイトの声にしのび笑いを浮かべていた。
(さすがに、キレる奴だ…
何から何まで計算しつくしてやがる…
あいつと手を組んだのは正解だったな…
さてと、やつらがお楽しみの間、俺は一眠りするか。)
トレルはその場にごろんと横になった。
*
「トレル!起きろよ。
何か食べないか。」
「あ…もうこんな時間か。そういえば、腹がすいたな。」
三人は洞窟に戻り、持ってきた食糧を黙って食べた。
「トレル…ケイトは…俺達のために…」
「オルジェ…もう言わないで。」
「ケイト…すまなかった。
さっきは俺も頭に血が上ってしまって…
そうだよな、おまえがあんなことをしたのは、オルジェやみんなのことを想ってのことなんだよな。
おまえがそんな蓮っ葉な女じゃないってことは、俺だってわかってたはずなのに…
本当にすまなかった!」
「トレル…もう言わないで!
私…とにかく、オルジェやみんなを助けたくって…私がなんとかしないといけないってその一心で…
いくら目的のためっていっても、自分でもよくあんな大胆なことが出来たと思うわ。」
ケイトはそう言うと、深く俯いた。
「女も男も、惚れた相手のためならなんでも出来るってことさ。」
「じゃあ、なにか?
あんたもエルスールのためには、なんでも出来るのか?」
「エルスール?……誰なの?」
「あぁ、ケイトはまだ知らなかったな。
……こいつったら、コンジュラシオンのくせに、悪魔の女を本気で愛してるんだ。」
「悪魔を…!!
トレル、本気なの?!
悪魔なんかと関わって大丈夫なの?」
「ケイト…エルスールは、みんなが考えているような悪魔じゃない。」
「でも…悪魔は悪魔だわ!」
「俺は彼女を信じてる…」
「トレル……本当か?」
不意に聞こえたその声に三人が一斉に振り向いた。
「ケイト…何も言わなくて良いんだ…
わかってるよ、俺やトレルを助けたい一心だったんだろう?
それで、自分の身体を犠牲にして…ケイト…すまない。
おまえにそんな辛い想いをさせて…」
オルジェはケイトの涙を指で拭い、その顔に口付けの雨を降らせる。
「オルジェ…許してくれるの…?
こんな汚れた私を…」
「ケイトは汚れてなんかいないさ。
俺にとっては、天使以上の存在だよ。」
「オルジェ…」
トレルは、洞窟の外に漏れ聞こえるケイトの声にしのび笑いを浮かべていた。
(さすがに、キレる奴だ…
何から何まで計算しつくしてやがる…
あいつと手を組んだのは正解だったな…
さてと、やつらがお楽しみの間、俺は一眠りするか。)
トレルはその場にごろんと横になった。
*
「トレル!起きろよ。
何か食べないか。」
「あ…もうこんな時間か。そういえば、腹がすいたな。」
三人は洞窟に戻り、持ってきた食糧を黙って食べた。
「トレル…ケイトは…俺達のために…」
「オルジェ…もう言わないで。」
「ケイト…すまなかった。
さっきは俺も頭に血が上ってしまって…
そうだよな、おまえがあんなことをしたのは、オルジェやみんなのことを想ってのことなんだよな。
おまえがそんな蓮っ葉な女じゃないってことは、俺だってわかってたはずなのに…
本当にすまなかった!」
「トレル…もう言わないで!
私…とにかく、オルジェやみんなを助けたくって…私がなんとかしないといけないってその一心で…
いくら目的のためっていっても、自分でもよくあんな大胆なことが出来たと思うわ。」
ケイトはそう言うと、深く俯いた。
「女も男も、惚れた相手のためならなんでも出来るってことさ。」
「じゃあ、なにか?
あんたもエルスールのためには、なんでも出来るのか?」
「エルスール?……誰なの?」
「あぁ、ケイトはまだ知らなかったな。
……こいつったら、コンジュラシオンのくせに、悪魔の女を本気で愛してるんだ。」
「悪魔を…!!
トレル、本気なの?!
悪魔なんかと関わって大丈夫なの?」
「ケイト…エルスールは、みんなが考えているような悪魔じゃない。」
「でも…悪魔は悪魔だわ!」
「俺は彼女を信じてる…」
「トレル……本当か?」
不意に聞こえたその声に三人が一斉に振り向いた。
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