深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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「オルジェ…許して…私…私…」

「ケイト…何も言わなくて良いんだ…
わかってるよ、俺やトレルを助けたい一心だったんだろう?
それで、自分の身体を犠牲にして…ケイト…すまない。
おまえにそんな辛い想いをさせて…」

オルジェはケイトの涙を指で拭い、その顔に口付けの雨を降らせる。



「オルジェ…許してくれるの…?
こんな汚れた私を…」

「ケイトは汚れてなんかいないさ。
俺にとっては、天使以上の存在だよ。」

「オルジェ…」




トレルは、洞窟の外に漏れ聞こえるケイトの声にしのび笑いを浮かべていた。

(さすがに、キレる奴だ…
何から何まで計算しつくしてやがる…
あいつと手を組んだのは正解だったな…
さてと、やつらがお楽しみの間、俺は一眠りするか。)

トレルはその場にごろんと横になった。








「トレル!起きろよ。
何か食べないか。」

「あ…もうこんな時間か。そういえば、腹がすいたな。」

三人は洞窟に戻り、持ってきた食糧を黙って食べた。




「トレル…ケイトは…俺達のために…」

「オルジェ…もう言わないで。」

「ケイト…すまなかった。
さっきは俺も頭に血が上ってしまって…
そうだよな、おまえがあんなことをしたのは、オルジェやみんなのことを想ってのことなんだよな。
おまえがそんな蓮っ葉な女じゃないってことは、俺だってわかってたはずなのに…
本当にすまなかった!」

「トレル…もう言わないで!
私…とにかく、オルジェやみんなを助けたくって…私がなんとかしないといけないってその一心で…
いくら目的のためっていっても、自分でもよくあんな大胆なことが出来たと思うわ。」

ケイトはそう言うと、深く俯いた。



「女も男も、惚れた相手のためならなんでも出来るってことさ。」

「じゃあ、なにか?
あんたもエルスールのためには、なんでも出来るのか?」

「エルスール?……誰なの?」

「あぁ、ケイトはまだ知らなかったな。
……こいつったら、コンジュラシオンのくせに、悪魔の女を本気で愛してるんだ。」

「悪魔を…!!
トレル、本気なの?!
悪魔なんかと関わって大丈夫なの?」

「ケイト…エルスールは、みんなが考えているような悪魔じゃない。」

「でも…悪魔は悪魔だわ!」

「俺は彼女を信じてる…」



「トレル……本当か?」

不意に聞こえたその声に三人が一斉に振り向いた。
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