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魔法使いの沼地
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どのくらいその場にいただろうか…
やがて、リオはマリアンを抱き抱え、荷車の方へゆっくりと歩き始めた。
「マリアン…帰ろうな……」
妹にそう短い言葉をかけ、リオはまだどこかはっきりしない意識の中でゆっくりと歩く。
「あ……」
特につまずくようなものがあったわけではないのに、リオはバランスを崩し、沼地の中に倒れ込んだ。
妹を汚さないようにと咄嗟に手を差し伸ばしたおかげで、マリアンの身体は足元が少し汚れただけですんだが、リオは無様に澱んだ水の中にひっくり返り顔は縁のぬかるみに突っ込んで茶色く汚れた。
浅い沼の中で、リオは立ち尽し俯いて涙に濡れた。
(……なにやってんだよ…)
原因のハッキリしない涙と泥を拭い、沼から上がると、リオは荷車に駆け寄り、そこから毛布を持ち出して元の場所へ戻った。
「ごめんな、マリアン…」
粗末な毛布に優しくマリアンをくるみ、リオはマリアンを抱き抱えて荷車へ連れていく…
「こんなおんぼろに乗せて悪かったな…
ガタガタして気持ち悪かっただろう…
でも、もう終わりだよ。
僕らの旅はもう終わったんだよ…」
まるで独り言のようにリオは呟き、マリアンを乗せた荷車を引いていく…
尋ねたずねしてようやく辿りついたここまでへの道程に比べ、帰りはずっと早くに帰れることは間違いなかったが、かといってその間ずっとマリアンをこのままにしておくわけにもいかない。
リオは、沼地へ来る途中で世話になったある町の教会の神父に相談することを決め、その町を目指した。
ほとんど休むこともせず、水以外は口にすることもないままに、リオは機械のように足を前後に踏み出す事だけを続け、教会に辿り着いたのは三日後の夜だった。
神父は、リオの肩を優しく叩き、次の日、マリアンのために祈りを捧げ町の共同墓地に埋葬してくれた。
「神父様…どうもありがとうございました。
費用は必ず…」
「そんなことはどうでも良いことです。
あなたは、あなたの出来る限りのことをなさいました。
マリアンさんはきっとお幸せだったと思いますよ。」
「神父様……」
神父の優しい言葉が、逆にリオの胸を深くえぐった。
マリアンのためにもっと他にやってやれることがあったのではないか?
自分の選択の間違いが、マリアンの寿命を縮めたのではないか…自責の念ばかりがリオの胸を埋め尽した。
どのくらいその場にいただろうか…
やがて、リオはマリアンを抱き抱え、荷車の方へゆっくりと歩き始めた。
「マリアン…帰ろうな……」
妹にそう短い言葉をかけ、リオはまだどこかはっきりしない意識の中でゆっくりと歩く。
「あ……」
特につまずくようなものがあったわけではないのに、リオはバランスを崩し、沼地の中に倒れ込んだ。
妹を汚さないようにと咄嗟に手を差し伸ばしたおかげで、マリアンの身体は足元が少し汚れただけですんだが、リオは無様に澱んだ水の中にひっくり返り顔は縁のぬかるみに突っ込んで茶色く汚れた。
浅い沼の中で、リオは立ち尽し俯いて涙に濡れた。
(……なにやってんだよ…)
原因のハッキリしない涙と泥を拭い、沼から上がると、リオは荷車に駆け寄り、そこから毛布を持ち出して元の場所へ戻った。
「ごめんな、マリアン…」
粗末な毛布に優しくマリアンをくるみ、リオはマリアンを抱き抱えて荷車へ連れていく…
「こんなおんぼろに乗せて悪かったな…
ガタガタして気持ち悪かっただろう…
でも、もう終わりだよ。
僕らの旅はもう終わったんだよ…」
まるで独り言のようにリオは呟き、マリアンを乗せた荷車を引いていく…
尋ねたずねしてようやく辿りついたここまでへの道程に比べ、帰りはずっと早くに帰れることは間違いなかったが、かといってその間ずっとマリアンをこのままにしておくわけにもいかない。
リオは、沼地へ来る途中で世話になったある町の教会の神父に相談することを決め、その町を目指した。
ほとんど休むこともせず、水以外は口にすることもないままに、リオは機械のように足を前後に踏み出す事だけを続け、教会に辿り着いたのは三日後の夜だった。
神父は、リオの肩を優しく叩き、次の日、マリアンのために祈りを捧げ町の共同墓地に埋葬してくれた。
「神父様…どうもありがとうございました。
費用は必ず…」
「そんなことはどうでも良いことです。
あなたは、あなたの出来る限りのことをなさいました。
マリアンさんはきっとお幸せだったと思いますよ。」
「神父様……」
神父の優しい言葉が、逆にリオの胸を深くえぐった。
マリアンのためにもっと他にやってやれることがあったのではないか?
自分の選択の間違いが、マリアンの寿命を縮めたのではないか…自責の念ばかりがリオの胸を埋め尽した。
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