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魔法使いの沼地
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*
日が経つにつれ、リオは自分の推測だったものが揺るぎのない確信に変わっていくのを感じていた。
どこへ行っても、誰に会っても、夜だけはありのままの自分を見てくれる。
明るい時間に極力人に出会わないように気を付けていれば、特に大きな問題はないことをリオは確信したのだった。
それだけではない。
自分に魔法のような能力が備わっていることをもリオは確信した。
あの日、ボタンが硬貨に変わったのは見間違いでもなんでもなかったのだ。
リオは、まだ自分にどれほどの能力があるのか、はっきりとはわからなかったが、少なくとも物質を変化させるようなことが出来るということだけはわかっていた。
申し訳ないとは思いつつ、どうしても金が必要な時には石ころや紙切れをお金に変えた。
普通なら食べられないような渋い木の実を甘い果実に変えて飢えをしのぐことも経験した。
(僕にかけられた呪いは、少なくとも悪いことばかりじゃないってことだな。)
つい先程、熟した果物に変えた木の実を頬張りながら、リオは心の中で呟いた。
ようやく、あの神父のいる町の近くに辿り着いたリオは、森の中で暗くなるのを待っていた。
*
「神父様、お久し振りです。
あの節は、本当にお世話になりました。」
「おぉ…あなたは…リオさんでしたね。
お元気でしたか?」
神父は以前この場所を訪ねた時と同じく、リオのことを優しく出迎えてくれた。
「神父様…実は、今日はお話したいことがあってここに来ました。」
「そうですか…では、お聞きしましょう。」
リオはこれまでのことを包み隠さず、すべて神父にぶちまけた。
「な…なんということを…
あなたは、以前、私が尋ねた時に、はっきりとおっしゃったではありませんか。
そんな所には行きませんと。」
「申し訳ありません。
実は、僕はなんとかしてマリアンのことを助けたくて、それで魔法使いの沼地を目指し、村を出て来ていたのです。
あの時は、本当のことが言えなくて、申し訳ありませんでした。」
神妙な面持ちで頭を下げるリオに、神父は小さな溜め息を吐く。
日が経つにつれ、リオは自分の推測だったものが揺るぎのない確信に変わっていくのを感じていた。
どこへ行っても、誰に会っても、夜だけはありのままの自分を見てくれる。
明るい時間に極力人に出会わないように気を付けていれば、特に大きな問題はないことをリオは確信したのだった。
それだけではない。
自分に魔法のような能力が備わっていることをもリオは確信した。
あの日、ボタンが硬貨に変わったのは見間違いでもなんでもなかったのだ。
リオは、まだ自分にどれほどの能力があるのか、はっきりとはわからなかったが、少なくとも物質を変化させるようなことが出来るということだけはわかっていた。
申し訳ないとは思いつつ、どうしても金が必要な時には石ころや紙切れをお金に変えた。
普通なら食べられないような渋い木の実を甘い果実に変えて飢えをしのぐことも経験した。
(僕にかけられた呪いは、少なくとも悪いことばかりじゃないってことだな。)
つい先程、熟した果物に変えた木の実を頬張りながら、リオは心の中で呟いた。
ようやく、あの神父のいる町の近くに辿り着いたリオは、森の中で暗くなるのを待っていた。
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「神父様、お久し振りです。
あの節は、本当にお世話になりました。」
「おぉ…あなたは…リオさんでしたね。
お元気でしたか?」
神父は以前この場所を訪ねた時と同じく、リオのことを優しく出迎えてくれた。
「神父様…実は、今日はお話したいことがあってここに来ました。」
「そうですか…では、お聞きしましょう。」
リオはこれまでのことを包み隠さず、すべて神父にぶちまけた。
「な…なんということを…
あなたは、以前、私が尋ねた時に、はっきりとおっしゃったではありませんか。
そんな所には行きませんと。」
「申し訳ありません。
実は、僕はなんとかしてマリアンのことを助けたくて、それで魔法使いの沼地を目指し、村を出て来ていたのです。
あの時は、本当のことが言えなくて、申し訳ありませんでした。」
神妙な面持ちで頭を下げるリオに、神父は小さな溜め息を吐く。
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