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魔法使いの沼地
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「と…義父さん…!」
神父の顔が急に険しいものに変わった。
またあの現象が始まったということをリオは察した。
万一の時に備え、リオは荷物を手にいつでも逃げ出せる態勢を整える。
神父は固く目を閉じ、両手を組んで懸命に祈りの言葉を捧げていたが、大きな声を上げたり逃げ出す事はなかった。
しばらくすると、神父がおもむろに目を見開いた。
その目は恐怖に満ち溢れていたが、それでも神父はリオから目を話さず、懸命に祈りの言葉を捧げ続けた。
神父が懸命になって恐怖と闘っていることは、リオにもはっきりとみてとれたが、それに対して自分が何をすべきなのかが思いつかないまま時は流れた…
「おぉ……」
感嘆の声と共に、神父の表情は不意に緩み、いつもの穏やかなものに変わる。
「リオさん…ありがとうございます。
私は…やっと自分の恐怖に打ち勝つことが出来ました。」
「では、神父様には僕の姿が見えるのですか?」
神父は黙ったままで深く頷いた。
「リオさん、わかりました。
あなたは言わば投影機のようなものなのです。
見たものの負の感情が、あなたの姿をその者の一番恐れる者の姿に見せるのです。
……私にはあなたが義父に見えました。
幼い頃、母が私を連れ再婚した相手です。
……とても酷い男でした。
しかし、私は神の道に入り、義父のした行いもすべて赦したつもりでいました。
私には恐れる者等誰もいないと思っていました。
ですが、それは私の思いあがりだった。
私の心の中には、まだ義父への畏れと憎しみがうごめいていたのです。
あなたのおかげで私はようやくそのことに気が付きました。
リオさん、ありがとうございます。」
神父の言葉に、リオは複雑な笑みを浮かべた。
この世の者が、皆、この神父のよう受け取り方をしてくれるなら、リオはこのままの状態でも何の問題もありはしない。
しかし、そんな風にいくはずもないことはリオにも十分わかっていた。
「リオさん…」
神父がリオに何かを話しかけようとした時、教会の扉が開けられ、その中に入って来た夫婦連れの悲痛なび声が上がった。
リオは、咄嗟に教会の奥へ駆け出した。
背中に聞こえる神父の声にも振り返ることなく…
神父の顔が急に険しいものに変わった。
またあの現象が始まったということをリオは察した。
万一の時に備え、リオは荷物を手にいつでも逃げ出せる態勢を整える。
神父は固く目を閉じ、両手を組んで懸命に祈りの言葉を捧げていたが、大きな声を上げたり逃げ出す事はなかった。
しばらくすると、神父がおもむろに目を見開いた。
その目は恐怖に満ち溢れていたが、それでも神父はリオから目を話さず、懸命に祈りの言葉を捧げ続けた。
神父が懸命になって恐怖と闘っていることは、リオにもはっきりとみてとれたが、それに対して自分が何をすべきなのかが思いつかないまま時は流れた…
「おぉ……」
感嘆の声と共に、神父の表情は不意に緩み、いつもの穏やかなものに変わる。
「リオさん…ありがとうございます。
私は…やっと自分の恐怖に打ち勝つことが出来ました。」
「では、神父様には僕の姿が見えるのですか?」
神父は黙ったままで深く頷いた。
「リオさん、わかりました。
あなたは言わば投影機のようなものなのです。
見たものの負の感情が、あなたの姿をその者の一番恐れる者の姿に見せるのです。
……私にはあなたが義父に見えました。
幼い頃、母が私を連れ再婚した相手です。
……とても酷い男でした。
しかし、私は神の道に入り、義父のした行いもすべて赦したつもりでいました。
私には恐れる者等誰もいないと思っていました。
ですが、それは私の思いあがりだった。
私の心の中には、まだ義父への畏れと憎しみがうごめいていたのです。
あなたのおかげで私はようやくそのことに気が付きました。
リオさん、ありがとうございます。」
神父の言葉に、リオは複雑な笑みを浮かべた。
この世の者が、皆、この神父のよう受け取り方をしてくれるなら、リオはこのままの状態でも何の問題もありはしない。
しかし、そんな風にいくはずもないことはリオにも十分わかっていた。
「リオさん…」
神父がリオに何かを話しかけようとした時、教会の扉が開けられ、その中に入って来た夫婦連れの悲痛なび声が上がった。
リオは、咄嗟に教会の奥へ駆け出した。
背中に聞こえる神父の声にも振り返ることなく…
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