魔法使いの沼地

ルカ(聖夜月ルカ)

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フレッド

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「ところで……これ、読めるか?」

湯気の立ち昇るお茶をすすりながら、フレッドがリオの前に一枚の紙切れを差し出した。
リオは、その紙を横にしたり逆さにしながら、首を傾げる。



「これは呪文か何かなんですか?
僕にはただのいたずら書きにしか見えません。」

その言葉に、フレッドは思わず噴き出した。



「それは、昨晩、あんたが書いたメモだよ。
シューラルフィールについて知ってることを教えてくれって言うから俺が話してやったら、あんたはそれをその紙切れに書いていた。
まだ、その時分はしっかりしてるように見えたんだが、さっきその紙をみつけたらその様だ。
でも、もしかしたら書いた本人には読めるんじゃないかと思ったんだが……やっぱり無理だったか…」

にやにやと薄ら笑いを浮かべるフレッドに、リオは頬を染め俯いた。



「フレッド、あんまりリオをいじめるなよ。
すまないが、もう一度教えてやってくれ。」

「すみません、フレッドさん……」

「おいおい、そんな深刻な顔すんなよ。
本当に俺があんたをいじめてるみたいじゃないか。」

フレッドはカップのお茶を飲み干すと、シューラルフィールについて話し始めた。
それは、彼女がどれほどの強い魔力を持ち、その上、様々な分野において博識なとても優秀な魔法使いだという話だった。
残念ながら、それは彼女を探す上で手掛かりになるような情報ではなかった。



「彼女の両親も優秀な魔法使いだったらしい。
つまりはエリートなんだ。
俺みたいに半端な魔法使いとは住む世界が違うってことだ。」

「なんだ?やけに自虐的なことを言うんだな。」

ラルフの言葉に、フレッドは俯いて失笑する。



「だって、俺の父親は普通の人間なんだぜ。
しかも、俺の母親だってそれほど強い魔力を持った魔法使いではなかった。
だから、俺もこんな風なんだ。」

「僕、魔法使いのことはほとんど知らないんですけど…
魔力の違いなんてあるんですか?
それに、魔法使いと人間が結婚するってことも…?」

「人間だって身体の丈夫なものもいれば弱いもの、頭の良い奴もいれば馬鹿だっているだろ?
それと同じようなもんさ。
それに、遺伝もある。
その後の勉強や修行、魔力の補充によってもいろいろな変化はあるにはあるが、人間の血が混じってるってことはかなりのハンディであることは間違いない。
どうせなら俺も親父に似て、魔法使いの体質なんてものがすっかりなけりゃあ却って良かったんだけどな…」

そう呟いたフレッドの表情はとても寂しそうなものだった。
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