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ジョン
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「本当なのか?
……今日は天気が良かったからって、昼寝でもしてたんじゃないだろうな。」
「ひ、昼寝だなんて、とんでもない!
僕は、朝早くからずっと探してましたよ。」
必死になって首を振るリオを、アンドリューは不審げな視線でみつめる。
「……嘘だと思うなら、アンドリューさんが今から行って探して来て下さいよ。
本当に、ウォルフボーラスはいなかったし、あたりにはそれらしき奴がいたような痕跡もありませんでしたから…」
「別に疑ってるわけじゃないけど…
……それにしても、あんた、今朝はえらく早くに出掛けたんだな。
目が覚めたらいなかったからびっくりしたよ。」
「あ…あぁ、それは…ほら、ウォルフボーラスはよく酒を飲むってことだったじゃないですか。
だったら、明け方だったらまだどこかで眠ってるんじゃないかと思って…」
「なるほど!
あんた、けっこう頭が回るんだな!」
アンドリューは、膝を打ち、感心したように頷く。
あたりがようやく暗くなった頃、リオはアンドリューの小屋に戻った。
帰る途中の街道でアンドリューに出くわしたが、アンドリューはリオの顔をみるなり、今日の報告を家で話を聞くと言い出した。
おそらく彼は一人でウォルフボーラスを探しに行くのがいやなのだろうと、リオは推測した。
「じゃ、そろそろ、めしでも食うか…」
そう言ってアンドリューが席を立った時、扉を叩く音がした。
「誰だ…今頃………ま、ま、まさか…!」
アンドリューの顔は血の気を失い、足元は小刻みに震えている。
その様子を見たリオは、彼の脳裏にウォルフボーラスが浮かんでいることを察し、おもむろに立ち上がった。
「アンドリューさん、僕が出ます。」
「やめろ!危険だ!!」
「大丈夫ですって。」
アンドリューは、不安そうな瞳でリオの姿を追いながら、物陰に身をひそめる。
「……どなたですか?」
「私、スージーです。」
「スージー?」
狭い小屋には、外からの返答も筒抜けだった。
リオが鍵を開けると同時に、物陰に隠れていたアンドリューが姿を現した。
「あ、ジョン…この人は?」
扉の外に立っていたのは、リオと同じ位の年格好の小柄な女性で、見知らぬリオが扉を開けたことで、少し戸惑っているようだった。
「スージー!ここには来るなって言ってるだろ!」
アンドリューは目を吊り上げて、スージーを睨み付けた。
「で…でも、私……」
「帰れって!」
「じゃ……こ、これだけは受けとって……」
スージーは涙の浮かんだ瞳でアンドリューをみつめ、手に持った大きな袋を差し出すと、そのまま表へ駆け出した。
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