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ジョン
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しばらく呆然と扉の方をみつめていたアンドリューが、突然肩をすくめくすくすと忍び笑いを漏らした。
「どうしたんだ?」
その言葉にアンドリューはラルフをみつめ、にっこりと微笑んだ。
それは、今までアンドリューが見せたことのないような清清しい笑顔だった。
「……まるで、夢みたいな出来事だったな。
でも、おまえは現実にここにいて、こうして俺としゃべってる…
なんだか、とてもおかしな気分だ。」
ベッドの上からラルフをみつめるその視線もその声も、どこか優しい。
「そりゃあそうだな。
あんなこと、めったにあることじゃないもんな。
とにかく…まずは顔を洗って来たらどうなんだ?
ずいぶん、酷い顔してるぜ。」
「だろうな…
あぁぁ…こんなに泣いたり喚いたりしたのは何年ぶりだろう…
俺……不思議と、今、さっぱりした気分なんだ。
それに……ものすごく腹が減った。」
そう言いながら、アンドリューは両手で腹を押さえた。
「あ……おまえにも何かやるからな。
……悪かったな。
おまえにも冷たくして…
俺…本当は動物は嫌いじゃないんだ。
……でも、えさ代をケチって、飼うことはしなかった…
なんでもかんでも切り詰めて……我慢して我慢して……いつの間にか守銭奴になっていた。
俺はゆとりってもんをなくしちまってたんだな…」
ベッドの横に両足を下ろしたアンドリューが、独り言のように呟いた。
「それが正しかったかどうかは別として…
おまえはよく頑張ったと思うぜ。
おふくろさんが亡くなった時はまだ十七かそこらだったんだろ?
そんな時から本当によく頑張ったよな。たいしたもんだぜ。
結局、壷を弁償するのには何年かかったんだ?」
「なんだよ…猫の癖に生意気なこと言いやがって。
……かれこれ七年だったかな。
その時にはわからなかった。
毎日毎日、ただ働いて寝て起きてまた働いて…
何かを考える時間もなかった。
その日が何日だとか、寒いとか暑いとかそんなことも考えてなかったような気がするよ。
気がついたら、七年が過ぎてたって……そんな感じだったかな。
……あ、あの小鳥にも何かやらないとな。
ちょっと待ってなよ。」
レヴィを見てそう言うと、アンドリューはようやくベッドから立ちあがった。
「どうしたんだ?」
その言葉にアンドリューはラルフをみつめ、にっこりと微笑んだ。
それは、今までアンドリューが見せたことのないような清清しい笑顔だった。
「……まるで、夢みたいな出来事だったな。
でも、おまえは現実にここにいて、こうして俺としゃべってる…
なんだか、とてもおかしな気分だ。」
ベッドの上からラルフをみつめるその視線もその声も、どこか優しい。
「そりゃあそうだな。
あんなこと、めったにあることじゃないもんな。
とにかく…まずは顔を洗って来たらどうなんだ?
ずいぶん、酷い顔してるぜ。」
「だろうな…
あぁぁ…こんなに泣いたり喚いたりしたのは何年ぶりだろう…
俺……不思議と、今、さっぱりした気分なんだ。
それに……ものすごく腹が減った。」
そう言いながら、アンドリューは両手で腹を押さえた。
「あ……おまえにも何かやるからな。
……悪かったな。
おまえにも冷たくして…
俺…本当は動物は嫌いじゃないんだ。
……でも、えさ代をケチって、飼うことはしなかった…
なんでもかんでも切り詰めて……我慢して我慢して……いつの間にか守銭奴になっていた。
俺はゆとりってもんをなくしちまってたんだな…」
ベッドの横に両足を下ろしたアンドリューが、独り言のように呟いた。
「それが正しかったかどうかは別として…
おまえはよく頑張ったと思うぜ。
おふくろさんが亡くなった時はまだ十七かそこらだったんだろ?
そんな時から本当によく頑張ったよな。たいしたもんだぜ。
結局、壷を弁償するのには何年かかったんだ?」
「なんだよ…猫の癖に生意気なこと言いやがって。
……かれこれ七年だったかな。
その時にはわからなかった。
毎日毎日、ただ働いて寝て起きてまた働いて…
何かを考える時間もなかった。
その日が何日だとか、寒いとか暑いとかそんなことも考えてなかったような気がするよ。
気がついたら、七年が過ぎてたって……そんな感じだったかな。
……あ、あの小鳥にも何かやらないとな。
ちょっと待ってなよ。」
レヴィを見てそう言うと、アンドリューはようやくベッドから立ちあがった。
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