124 / 135
シューラルフィール
18
しおりを挟む
*
「兄さん、見て…
とっても、綺麗な月……
青い月なんて珍しいわね。
こんな素敵な夜に旅立てるなんて、私ってツイてるわね…」
マリアンは、空に浮かんだ青い月をみつめて呟いた。
「マリアン…そんなこと言わないでおくれよ…」
「兄さん…さっき約束したじゃない!?
さっきのでおしまい。
二人共あれだけ泣いたから、もう泣かないって…
最期の時には、お互い笑ってお別れしましょうって約束したでしょう…?」
涙声のリオをたしなめるように、マリアンは毅然とした声でそう言った。
「マリアン……おまえは、なんでそうしっかりしてるんだよ…」
リオは俯き、震える声で呟いた。
「だって……私が泣いたら、兄さんはきっともっと泣いちゃうもの。
私……兄さんは笑っててほしいの……
兄さんには……」
「……マリアン…?
どうした!?」
隣に座っていたマリアンの身体がゆっくりと、リオに肩に倒れこむ…
「マリアン……マリアン!
僕が何…?最後までちゃんと話してよ…」
リオは、身体を反転させ、マリアンの正面から両腕を掴む。
しかし、マリアンの瞳はすでに閉じられ…
どこか微笑んだような穏やかな表情をしたまま、全身の力が抜けていた。
「マ…マ、マリアンーーーーー!」
*
*
*
「え……失敗したのか!?」
「そんなわけないさ。
私の魔法は絶対に失敗なんて……」
振り向いたリオの顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
唇を震わせながら、リオはゆっくりと魔方陣を出て、シューラルフィールとラルフの方へ歩み寄る。
「ありがとう……シューラルフィールさん……」
そう言うなり、リオはシューラルフィールに抱きつき、子供のように声を上げて泣き出した。
「兄さん、見て…
とっても、綺麗な月……
青い月なんて珍しいわね。
こんな素敵な夜に旅立てるなんて、私ってツイてるわね…」
マリアンは、空に浮かんだ青い月をみつめて呟いた。
「マリアン…そんなこと言わないでおくれよ…」
「兄さん…さっき約束したじゃない!?
さっきのでおしまい。
二人共あれだけ泣いたから、もう泣かないって…
最期の時には、お互い笑ってお別れしましょうって約束したでしょう…?」
涙声のリオをたしなめるように、マリアンは毅然とした声でそう言った。
「マリアン……おまえは、なんでそうしっかりしてるんだよ…」
リオは俯き、震える声で呟いた。
「だって……私が泣いたら、兄さんはきっともっと泣いちゃうもの。
私……兄さんは笑っててほしいの……
兄さんには……」
「……マリアン…?
どうした!?」
隣に座っていたマリアンの身体がゆっくりと、リオに肩に倒れこむ…
「マリアン……マリアン!
僕が何…?最後までちゃんと話してよ…」
リオは、身体を反転させ、マリアンの正面から両腕を掴む。
しかし、マリアンの瞳はすでに閉じられ…
どこか微笑んだような穏やかな表情をしたまま、全身の力が抜けていた。
「マ…マ、マリアンーーーーー!」
*
*
*
「え……失敗したのか!?」
「そんなわけないさ。
私の魔法は絶対に失敗なんて……」
振り向いたリオの顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
唇を震わせながら、リオはゆっくりと魔方陣を出て、シューラルフィールとラルフの方へ歩み寄る。
「ありがとう……シューラルフィールさん……」
そう言うなり、リオはシューラルフィールに抱きつき、子供のように声を上げて泣き出した。
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる