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なんだかいろいろおかしな感じです。

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「だから、あの場にいたリクファンは、あんたを恨んでる…妬んでるっていう方が正しいかな。」

 「エミリーも、怒ってたの?」

 「私は怒るとかそういうんじゃないけど…でも、さっきも言った通り、ちょっとジェラシーは感じてたよ。」

 「そんな…だったら、その時に言ってくれたら良かったのに!」

 「あんたが悪いわけじゃないもん。そのくらいのことは私だってわかってるんだよ。
だから言わなかった。」



 気まずい雰囲気…
なんだろう…そんなことくらいで、恨むとか何とか、ありえないよ。
せっかくのライブも、なんだか楽しくなくなって、今すぐにでも帰りたいような気分になって来た。
 今やってるバンドの音が急に大きく感じられた。



 「……ごめん。」

さゆみが俯いたままぽつりと呟いた。



 何か返さなきゃいけないと思うけど、すぐには言葉が出て来なかった。



 「璃愛…怒った?」

さゆみが私の方を向いて問いかける。



 「……怒ってないよ。」

 本当は怒ってるけど…そこまで言える程、私は強気じゃないから。
 口調は怒ったままで、そう答えた。
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