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久しぶりのシュバルツのライブなのです!

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「瑠威…私のこと、気にしてくれてたんだ…
あぁ、何か夢みたい…!」

 「……怒ってないの?」

 「当たり前じゃん。
 瑠威は私のことを心配してくれたんだよ。
 怒るはずなんてないじゃない。
リクもキースさんも、私の昨夜の告白については完全スルーだよ。
だけど、瑠威はそんなに真剣に考えてくれたんだもん。
 本気で嬉しいよ。」

……そういえば、そうだよね。
キースさんもリクさんも、そのことについては一言も触れてなかった。
 確かに触れにくい話題だとは思うけど、キースさんお得意の冗談さえも出なかったもんね。



 「で、あんたはどう思う?」

 「え?何が?」

 「だから…瑠威の意見について…」

 「わ、私は…」

 「リクのことはあきらめるべきだと思う?」

 追い立てられるような連続の質問に、私は詰まりながらも本心を話した。



 「私はあきらめることないと思う。」

 「どうして?私がリクに遊ばれて傷付いても良いって思ってるの?」

 「そ、そんなこと…思うわけないじゃん!
ただ…リクさんは…そんな悪い人だと思えない。
だって、瑠威だって、ミュージシャンだけど、すごく真面目だし、一途な人だよ。
そりゃあ、ミュージシャンにはチャラい人も多いかもしれないけど、そうじゃない人だってけっこういると思うんだ。
それに…ママが言ってた。
 好きな気持ちは簡単に止められるもんじゃないし、傷から得ることもあるって。」

 「傷から得ることもある…か。
 私ね…正直言って、傷つくことは怖くないんだ。
たとえ、一時の遊びだとしても、リクの彼女になりたい。」

 「どうして?どうしてそこまで思えるの?」

 「だって、私…本当にリクのことが好きなんだもん。
あんたのママの言う通りだよ。
 好きって気持ちは、止められない。
リクがその気持ちを受け入れてくれるかどうかはわからないけど…私は、ただ、自分の気持ちに正直でいたいだけなんだ。」
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