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『瓢箪から駒』ってやつでしょうか?

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 「特別な生地を扱ってるお店?」

ママは不思議そうな顔をして、私の言ったことを繰り返した。



 「なんだ、望結。
そんなもの、どうするつもりなんだ?
まさか、バンド始めるとか?」

 「ま、まさか!
 私日そんなこと出来るわけないじゃない。
あのね…実は、さゆみがリクさんに衣装を作ってプレゼントしたいって言い出して…」

 「そうなの。
さゆみちゃんは、洋裁はどのくらいやったことがあるの?」

 「家庭科でパジャマとかブラウスとかを縫ったことがあるだけなんだって。」

 「それだけで、衣装を作るのはけっこう大変ね。」

 「うん、だから、ママにもいろいろ教えてほしいんだ。」

 瑠威はなんだか機嫌の悪い顔をしている。



 「望結、さゆみちゃんに言わなかったのか?
バンドマンに本気になったって…」

 「ちゃんと伝えたよ!
さゆみ、瑠威が心配してくれたことはすごく喜んでた。
だけど…傷付いても良いんだって。
 傷付いてもうまくいかなくても、それでも好きな気持ちは止められないって。
そこまで言われたら、私ももうそれ以上、言えないじゃない。」

 「……本当にちゃんと言ったのか?」

 「言ったってば!」

 瑠威…しつこい。
 瑠威としては、何がなんでもバンドマンとの恋愛はやめさせたいんだろうけど…
さゆみも本気だもん。
もういい加減、諦めてほしいよ。

 
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