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side 潤

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この際、はっきり言ってやった方が良いんじゃないだろうか。
そんなことをしたら、翔子は気分を壊すだろうか?
いや、翔子なら僕の気持ちをわかってくれるはずだ。



(そうだ!僕は翔子を信じる!)



半ば、やけくそだったかもしれない。
でも、僕はこのもやもやした日々がどうにも辛すぎて…
とにかく早くケリを付けたかったんだ。



『土曜日、用事ある?
時間があったら、ちょっと会えないかな?』



僕はなんともない振りをして、LINEを送った。
返事が来るかどうかはわからなかった。
独占欲の強い彼氏だとしたら、もしかしたら、僕には返信しないように言いつけてるかもしれないし、すでに、僕のLINEをブロックするように指示しているかもしれない。



僕はスマホをみつめ続けていた。
自分の馬鹿さ加減に、溜め息が漏れた。
翔子にも都合はあるんだから、そんなにすぐ返信が来るはずもないのに。



(とりあえず、シャワーでも浴びるか…)



僕は、気を紛らせるために浴室に向かった。
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