33 / 401
桜の下で
1
しおりを挟む
「さて、そろそろ、あれやるぞ!」
頬を赤く染めた宮崎部長がついにその言葉を口にした。
(あ~あ…)
うんざりはするものの、しがないサラリーマンの俺にはこれも仕事の一部だと諦めるしかなかった。
「じゃあ、こっちから行くぞ。」
宮崎部長は、おかしな仕草を始めた。
そう、これは宮崎部長のお気に入りの伝達ゲームだ。
宮崎部長が考えたお題を、ジェスチャーで次々に伝えていき、最後にどんなふうに伝わるか?というゲームだ。
はっきり言って、それを楽しんでいるのは宮崎部長だけだと思う。
こんなに綺麗な桜の花の下、しかも、他の見物客に笑われながら、なんでこんなしょーもないゲームをやらなきゃならんのだ!?
「ほら、大野!
ジェスチャーはもっと大袈裟にやらないと伝わらないぞ!」
「は、はい。」
だから恥ずかしいんだって。
あ~あ、あと少しで俺の番だ…
なになに?あの仕草は女性か?
女が、何かを食べて…え?なにかをかぶるのか?
お題がよくわからないまま、俺の番が来た。
仕方なく、俺は前の吉田がやった通りに真似をした。
そして、ようやく最後の太田の番が終わった。
「太田、お題はなんだ?」
「えっと、ヘルメットをかぶった女性が、食べ過ぎてお腹いっぱいになった…でしょうか?」
「ブッブー!」
宮崎部長は、得意満面で人差し指を揺らす。
「これはヘルメットじゃなくて、おかまだ。
つまり、おかまで炊いたごはんを食べるおかま…が、正解だ!」
宮崎社長は大笑いしている。
仕方なく、俺達も無理して愛想笑いを浮かべた。
「さ、じゃあ、次のお題いくぞ!」
はしゃぐ宮崎部長に、もうやめましょう!と言えるやつ等いない。
俺はビールをぐいとあおった。
頬を赤く染めた宮崎部長がついにその言葉を口にした。
(あ~あ…)
うんざりはするものの、しがないサラリーマンの俺にはこれも仕事の一部だと諦めるしかなかった。
「じゃあ、こっちから行くぞ。」
宮崎部長は、おかしな仕草を始めた。
そう、これは宮崎部長のお気に入りの伝達ゲームだ。
宮崎部長が考えたお題を、ジェスチャーで次々に伝えていき、最後にどんなふうに伝わるか?というゲームだ。
はっきり言って、それを楽しんでいるのは宮崎部長だけだと思う。
こんなに綺麗な桜の花の下、しかも、他の見物客に笑われながら、なんでこんなしょーもないゲームをやらなきゃならんのだ!?
「ほら、大野!
ジェスチャーはもっと大袈裟にやらないと伝わらないぞ!」
「は、はい。」
だから恥ずかしいんだって。
あ~あ、あと少しで俺の番だ…
なになに?あの仕草は女性か?
女が、何かを食べて…え?なにかをかぶるのか?
お題がよくわからないまま、俺の番が来た。
仕方なく、俺は前の吉田がやった通りに真似をした。
そして、ようやく最後の太田の番が終わった。
「太田、お題はなんだ?」
「えっと、ヘルメットをかぶった女性が、食べ過ぎてお腹いっぱいになった…でしょうか?」
「ブッブー!」
宮崎部長は、得意満面で人差し指を揺らす。
「これはヘルメットじゃなくて、おかまだ。
つまり、おかまで炊いたごはんを食べるおかま…が、正解だ!」
宮崎社長は大笑いしている。
仕方なく、俺達も無理して愛想笑いを浮かべた。
「さ、じゃあ、次のお題いくぞ!」
はしゃぐ宮崎部長に、もうやめましょう!と言えるやつ等いない。
俺はビールをぐいとあおった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
あの素晴らしい愛をもう一度
仏白目
恋愛
伯爵夫人セレス・クリスティアーノは
33歳、愛する夫ジャレッド・クリスティアーノ伯爵との間には、可愛い子供が2人いる。
家同士のつながりで婚約した2人だが
婚約期間にはお互いに惹かれあい
好きだ!
私も大好き〜!
僕はもっと大好きだ!
私だって〜!
と人前でいちゃつく姿は有名であった
そんな情熱をもち結婚した2人は子宝にもめぐまれ爵位も継承し順風満帆であった
はず・・・
このお話は、作者の自分勝手な世界観でのフィクションです。
あしからず!
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 190万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
望まない相手と一緒にいたくありませんので
毬禾
恋愛
どのような理由を付けられようとも私の心は変わらない。
一緒にいようが私の気持ちを変えることはできない。
私が一緒にいたいのはあなたではないのだから。
初恋が綺麗に終わらない
わらびもち
恋愛
婚約者のエーミールにいつも放置され、蔑ろにされるベロニカ。
そんな彼の態度にウンザリし、婚約を破棄しようと行動をおこす。
今後、一度でもエーミールがベロニカ以外の女を優先することがあれば即座に婚約は破棄。
そういった契約を両家で交わすも、馬鹿なエーミールはよりにもよって夜会でやらかす。
もう呆れるしかないベロニカ。そしてそんな彼女に手を差し伸べた意外な人物。
ベロニカはこの人物に、人生で初の恋に落ちる…………。
悪役令息の婚約者になりまして
どくりんご
恋愛
婚約者に出逢って一秒。
前世の記憶を思い出した。それと同時にこの世界が小説の中だということに気づいた。
その中で、目の前のこの人は悪役、つまり悪役令息だということも同時にわかった。
彼がヒロインに恋をしてしまうことを知っていても思いは止められない。
この思い、どうすれば良いの?
背徳の恋のあとで
ひかり芽衣
恋愛
『愛人を作ることは、家族を維持するために必要なことなのかもしれない』
恋愛小説が好きで純愛を夢見ていた男爵家の一人娘アリーナは、いつの間にかそう考えるようになっていた。
自分が子供を産むまでは……
物心ついた時から愛人に現を抜かす父にかわり、父の仕事までこなす母。母のことを尊敬し真っ直ぐに育ったアリーナは、完璧な母にも唯一弱音を吐ける人物がいることを知る。
母の恋に衝撃を受ける中、予期せぬ相手とのアリーナの初恋。
そして、ずっとアリーナのよき相談相手である図書館管理者との距離も次第に近づいていき……
不倫が身近な存在の今、結婚を、夫婦を、子どもの存在を……あなたはどう考えていますか?
※アリーナの幸せを一緒に見届けて下さると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる