あれこれ短編集2

ルカ(聖夜月ルカ)

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大吉なのに大凶

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人の波をかきわけ、出口へ向かう。



「いたっ!」

出口近くで、僕は男性にぶつかられ、その場に倒れ込んだ。



「ぼやぼやすんな!」

「す、すみません。」

無様に倒れたまま、僕は謝った。
なんでだよ。
僕は被害者じゃないのか!?
理不尽な現実に憤りながら立とうとした時、僕の手に何かがあたった。
僕は無意識にそれを掴み、ポケットに入れた。
服に着いた土を払いながら、僕は立ち上がり、神社を出た。
ポケットを指でまさぐる。



もしやこれは……



逸る気持ちを押さえながら、僕は家路に着いた。



「やった!」

やはり、それはポチ袋だった。
中には10000円札が入っていた。
ネコババは犯罪だ。
いや、違う!
これは、神様から僕へのお年玉だ。
名前だって書いてないし、返せるはずもないんだから、これはありがたくいただいておこう。



(やっぱり大吉パワーだな!)



10000円札をポチ袋から出し、財布に入れようとした時、僕はポケットに入れていた財布がないことに気が付いた。



(う、嘘っ!?
……まさか、さっきぶつかった男か!?)



財布を落としたのか、スられたのかはわからない。
だが、とにかく手元にないことだけは間違いない。



「そ、そんなぁ…」



大吉を遥かに上回る大凶パワーに、僕はひとり涙した。
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