あれこれ短編集2

ルカ(聖夜月ルカ)

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王子様カフェ

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「あ、お姉ちゃん、たこ焼き買って!」

「はいはい。」



今日は姉に付き添い、姉の高校の文化祭にやって来た。
なんでも姉の想い人が模擬店をするらしいのだけど、姉は一人で行くのが恥ずかしいとかなんとか言って、私に一緒に行って欲しいと言って来た。
だから、食べ物10品を奢るということを条件に、私は付き添いでやって来たというわけだ。



「あ、次はクレープ!」

「はいはい。」



私は色気より食い気。
すでに太ってるから、もう何も怖くない。
男なんて全然興味無い。
そんなことよりも、美味しいものを食べてた方がずっと幸せだもの。



「えーっと、次は…」

「そろそろ時間だから行くよ。」

「えーー…」



想い人の模擬店は、王子カフェというもので、その人は午後から店に出るらしい。



「ねぇねぇ、カフェには何があるの?
カツ丼とかないかな?」

「カフェにそんなものがあるわけないでしょ。
まぁ、せいぜいカレーとかサンドイッチとかじゃない?」

「カレーにサンドイッチか。
ま、いっか。」



模擬店に行く前に、姉はトイレで入念な化粧直しをする。
まぁ、そんなにかわり映えするはずもないけれど、恋する乙女だから仕方ない…っていうか、トイレは化粧直しの女子で満員。
あれ?王子カフェ、意外と人気あるのかな?



「うわっ!」



模擬店の前には、女子が群がっていた。



「三列に並んで下さい!」

眼鏡をかけた男子が叫ぶけど、なかなかみんな整列しない。
混乱の中、一時間程並んで、ようやく私たちの順番がやって来た。



中はお城という設定らしく、床には赤い絨毯が敷かれ、薄暗い教室の中には、キャンドルが灯されていた。
私達は案内された席に着いた。
すると、すぐにグラスに入った飲み物が運ばれてきた。
見た目はカクテルみたいな感じだけど、お酒のはずはないよね?



「晩餐会へようこそ。」



スポットライトに三人の王子が照らされると、部屋の中に黄色い声が上がった。
金髪のくるくる巻き毛に王冠を被り、刺繍のされた上着、下はタイツみたいなものをはいている。
絵に描いたような王子様達だ。
ちょっと笑いそうになったけど、よく見たら三人ともすごいイケメンだった!
男には興味無かったはずなのに、なんだか自分でも驚く程、私はめちゃくちゃときめいてしまった。



「まずは乾杯を!」

皆が一斉にグラスを持つ。



「この素晴らしき出会いに乾杯!」

そう言った真ん中の王子と目が合った瞬間、私は完全に恋に落ちてしまった。



(あ、そうだ!)



「お姉ちゃん!お姉ちゃんの好きな人って、どの人?」

私は小さな声で訊ねた。



「真ん中!」

姉が囁く。



えーっ!ライバル??
これはまずいことになった。
そう思いつつも、真ん中の王子から目が離せないでいた。
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