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「えっと、で、では…お言葉に甘えて…」

「そう、良かった!
じゃあ、行こうか!」

「ひっ!」



いきなり手を握られて、私はおかしな声を上げてしまった。
あ、あれ?ちょっと自意識過剰?
イケメンさんは特に変わった様子はないし、子供の手を引くような感じなのかな?



エレベーターに乗ってる間も、手はしっかりと握られていて…
自意識過剰でもなんでも、私は落ち着かなくて困った。



(あ、耳が変……)



エレベーターはどんどん上昇し、着いた先は54階。
降りると、正装をした中年の男の人がいて、どこかに私たちを案内してくれた。



(わぁ……)



そこは、レストランだった。
絨毯がふかふかで歩き辛い。
私達は、奥の個室に案内された。
大きな窓からは、街並みが遠くまで一望出来る。



夢が叶ったと思った。
別にこのビルで働いてるわけじゃないけれど、ここの高層階からの景色を見ることがついに出来たのだから。



「あれ?景色が珍しい?」

「……え?あ…は、はい。
こんな高いところには滅多に来ませんから。」

「へぇ、そうなんだ。」

イケメンさんは、おかしそうに笑った。
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