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「えーーーっ!?」



お母さんが叫ぶ。
まぁ、それも当然だと思う。
東條さんはいきなり『お嬢さんを下さい。』なんて言ったんだから。



ここのところ、付き合ってる人はいなかった。
そのことは、お母さんも薄々気付いていたはず。
それなのに、こんなことになったら、そりゃあ驚くよね。



東條さんも東條さんだ。
何もいきなりそんなことを言わなくても…



「はしたない声を出してごめんなさいね。
あまりに驚いたものだから。」

お母さんはそう言って、ゆっくりとお茶を飲んだ。



「えっと…それで、東條さん、お仕事は?」

「はい、IT関連の会社を経営しております。」

「えっ!?社長さんなの?」

「あ、あの…お母さん。
私が今、働いてる会社の社長さんなんだ。」

「あら、そうなの?」

東條さんは、バッグの中から名刺を取り出し、お母さんに手渡した。
お母さんは、老眼鏡をかけて、それを見た。



「えっ!?ベリーヒルズビレッジ!?」



顔を上げたお母さんが、まじまじと私と東條さんを交互にみつめる。
こんなことなら、やっぱり言っとけば良かったな。
お母さん、きっとびっくりしてるよね。
私がベリーヒルズで働いてるなんて、思ってもいなかっただろうから。

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