あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり！

１０２

（きついなぁ……）



久しぶりに樹生さんと一緒のベッド。
疲れてたのか、樹生さんは横になるとすぐに静かな寝息を立てて眠ってしまった。
私は、とてもじゃないけど眠れない。
やっぱりベッドは別々が良かったよね。
結婚する時にどうするか相談されたんだけど、樹生さんのベッドはクイーンサイズだったから十分ふたりで寝れるし、わざわざ買い替えなくてもそれで良いって言ったんだ。
私の貧乏性が失敗だったかな。
なんでも、樹生さんは寝相が悪いから大きなベッドを使ってるって話だったけど、全然そんなことないんだけど…



そもそも、寝室を別にしたいっていえば良かったかな。
空いてる部屋もあるんだし。
そうだ、しばらくは空いてる部屋で寝ようかな。



でも、そんなことしたら、ある意味、喧嘩売ってるようなもんだよね。
とりあえず、樹生さんは私と別れようという気はなさそうなんだから、このまま波風立てずにいるのが良いことなんじゃないのかな。
きっと、私が素直に樹生さんを信じるって言って、詳しい事情を訊かなければそれで丸く収まると思う。
私はこのまま玉の輿生活を続けられるんだ。



なのに、そう割り切れない私がいる。
一体、どうしたら良いんだろう？



いろいろいろいろ考えて…結局、私は朝まで眠ることが出来なかった。