7 / 25
決意
7
しおりを挟む
「……ここは…」
ジュリアンは、部屋の中をきょろきょろと見回す。
「エレス!おかしいぞ!
さっきのままだ!失敗したのか?」
『……窓の外を見てみろ。』
「窓の外…?
あ……!」
ジュリアンは、窓の外がまだ漆黒の空ではないことに気が付いた。
『戻り方がうまくなったな。』
「ってことは…」
ちょうどその時、扉を叩く音が聞こえた。
「ジュリアン、いるか!」
(ラリーだ!じゃあ、今は…)
エレスは、ゆっくり頷いた。
「あ、ちょっと待ってくれよ!今開けるからな!」
ジュリアンが扉を開けると、にこやかな顔のラリーが立っていた。
「ちょっと早かったか?」
「いやいや、全然!」
「そうか、良かった。
実は…」
「わかってる、わかってる。
スージーに邪魔だって追い出されたんだろ?」
「……え?!なんでわかるんだ?」
「俺はカンが良いんだよ。
そんなことより早く行こうぜ!」
ジュリアンは、ラリーの腕をひきながら近所の酒場へ向かった。
「あんた、本当にこの町は初めてなのか?」
「なんでだ?」
「この酒場の場所も知ってたみたいだからさ。」
「だ、だから、さっきも言ったろ?
俺は、昔からカンだけはすごく良いんだって。
そんなことはどうでも良い。
なぁ、スージーのことを教えてくれよ。
婚約者の名前はなんて言うんだ?」
唐突なその質問に、ジュリアンの顔を訝しげにみつめながらもラリーは答えた。
スージーの婚約者の名は、ロッシー。
二人の出会いは偶然で、ロッシーが仕事で遠くの町に出掛けた帰りに体調を崩し、町のはずれで身動きが取れなくなっていた所にスージーが通り掛かり、彼を介抱したことがきっかけだったという。
「それが不思議な話でな。
スージーはいつもその時間はこの先の雑貨屋で働いてるんだ。
それが、店主の都合でたまたまその日は早くに店じまいしたそうで、普通だったらそんな時はすぐに家に帰るのに、その日はなぜだか散歩して帰ろうと思ったらしいんだ。
しかも、わざわざ家とは反対の方角にだぜ。
こういうのが運命っていうんだろうなぁ…
俺には神様が二人を引き合わせたとしか思えないんだ。」
「だろうな。
きっとそうなんだろうな!」
「あんたもそう思うか?
いや~、嬉しいよ!
運命とか神様なんて言うと笑う奴もいるからな。
あんたと出会えたのも、神様のおかげなのかもしれないな!」
その言葉に、ジュリアンは複雑な笑顔を浮かべた。
ジュリアンは、部屋の中をきょろきょろと見回す。
「エレス!おかしいぞ!
さっきのままだ!失敗したのか?」
『……窓の外を見てみろ。』
「窓の外…?
あ……!」
ジュリアンは、窓の外がまだ漆黒の空ではないことに気が付いた。
『戻り方がうまくなったな。』
「ってことは…」
ちょうどその時、扉を叩く音が聞こえた。
「ジュリアン、いるか!」
(ラリーだ!じゃあ、今は…)
エレスは、ゆっくり頷いた。
「あ、ちょっと待ってくれよ!今開けるからな!」
ジュリアンが扉を開けると、にこやかな顔のラリーが立っていた。
「ちょっと早かったか?」
「いやいや、全然!」
「そうか、良かった。
実は…」
「わかってる、わかってる。
スージーに邪魔だって追い出されたんだろ?」
「……え?!なんでわかるんだ?」
「俺はカンが良いんだよ。
そんなことより早く行こうぜ!」
ジュリアンは、ラリーの腕をひきながら近所の酒場へ向かった。
「あんた、本当にこの町は初めてなのか?」
「なんでだ?」
「この酒場の場所も知ってたみたいだからさ。」
「だ、だから、さっきも言ったろ?
俺は、昔からカンだけはすごく良いんだって。
そんなことはどうでも良い。
なぁ、スージーのことを教えてくれよ。
婚約者の名前はなんて言うんだ?」
唐突なその質問に、ジュリアンの顔を訝しげにみつめながらもラリーは答えた。
スージーの婚約者の名は、ロッシー。
二人の出会いは偶然で、ロッシーが仕事で遠くの町に出掛けた帰りに体調を崩し、町のはずれで身動きが取れなくなっていた所にスージーが通り掛かり、彼を介抱したことがきっかけだったという。
「それが不思議な話でな。
スージーはいつもその時間はこの先の雑貨屋で働いてるんだ。
それが、店主の都合でたまたまその日は早くに店じまいしたそうで、普通だったらそんな時はすぐに家に帰るのに、その日はなぜだか散歩して帰ろうと思ったらしいんだ。
しかも、わざわざ家とは反対の方角にだぜ。
こういうのが運命っていうんだろうなぁ…
俺には神様が二人を引き合わせたとしか思えないんだ。」
「だろうな。
きっとそうなんだろうな!」
「あんたもそう思うか?
いや~、嬉しいよ!
運命とか神様なんて言うと笑う奴もいるからな。
あんたと出会えたのも、神様のおかげなのかもしれないな!」
その言葉に、ジュリアンは複雑な笑顔を浮かべた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる