10 / 25
決意
10
しおりを挟む
「ディック、なんでこんなことを…」
数人の男達に両脇を押さえられながら連れ去られるディックは、ラリーに冷ややかな視線を向けた。
「悪いのはスージーだ…
僕の気持ちを知っていながら、別の男と結婚するなんて…!!
僕は…僕は、そんなこと絶対に認めないからな!」
吐き捨てるようにそう言い残し、ディックは男達に連行された。
「兄さん…!」
「スージー、もう大丈夫だ…」
ディックが去ったことで押さえていた恐怖心が解き放たれたのか、スージーはラリーにしがみつき熱い涙を流し始めた。
「ジュリアン、ありがとう…!
あんたのおかげだ。
この場に俺達がいなかったら、今頃スージーは…
それにしても、あんた、さっきはどうしたんだ?
まるで、こんなことが起きるのがわかってるみたいに思えるが…」
「あ、あぁ…俺は、頭は良くないんだがその分妙にカンが良いっていうのか…
本能的に危険みたいなもんを感じるんだ。
さっき、そのカンが『危険だ!』って知らせてな。
まさか、こんなことが起きるとは思ってなかったが、本当に良かったよ。」
「そうだったのか。
あんたの第六感のおかげだな。
本当にありがとう!」
ラリーは、ジュリアンの手を力強く握り締めた。
*
『ずいぶんと用心深くなったものだな。』
「当たり前だ。
おまえは俺のことを馬鹿だと思ってるんだろうけど、俺にも学習能力ってもんが少しはあるんだ。」
食事をしていったらどうだと誘ってくれたラリーに、今夜はスージーと二人でゆっくりしてくれと言い残してジュリアンはラリーの家を後にした。
しかし、ジュリアンは宿には戻らず、こっそりとラリーの家の庭に身を潜めた。
『用心深いのは良いが、ディックは自警団の詰所にいるのだぞ。
まさか、もう一度舞い戻って来るなんてことはないと思うがな。』
「甘い!
奴の最後の言葉を聞いていなかったのか!
ディックは、他の男に取られるくらいならって、スージーを殺そうとまでした男なんだぞ!
どんなことをするかわからねぇ!
俺は今夜は一晩中、ここで見張るんだ!」
『なるほどな…
まぁ、おまえもそれほど本気だということなんだろう。
おまえの気の済むようにすれば良い…』
「うん…
俺…もう二度と失敗はしたくないんだ。
だから…俺の出来ることなら…なんでもやっときたいんだ!」
エレスは、そんなジュリアンに優しい笑顔で頷いた。
数人の男達に両脇を押さえられながら連れ去られるディックは、ラリーに冷ややかな視線を向けた。
「悪いのはスージーだ…
僕の気持ちを知っていながら、別の男と結婚するなんて…!!
僕は…僕は、そんなこと絶対に認めないからな!」
吐き捨てるようにそう言い残し、ディックは男達に連行された。
「兄さん…!」
「スージー、もう大丈夫だ…」
ディックが去ったことで押さえていた恐怖心が解き放たれたのか、スージーはラリーにしがみつき熱い涙を流し始めた。
「ジュリアン、ありがとう…!
あんたのおかげだ。
この場に俺達がいなかったら、今頃スージーは…
それにしても、あんた、さっきはどうしたんだ?
まるで、こんなことが起きるのがわかってるみたいに思えるが…」
「あ、あぁ…俺は、頭は良くないんだがその分妙にカンが良いっていうのか…
本能的に危険みたいなもんを感じるんだ。
さっき、そのカンが『危険だ!』って知らせてな。
まさか、こんなことが起きるとは思ってなかったが、本当に良かったよ。」
「そうだったのか。
あんたの第六感のおかげだな。
本当にありがとう!」
ラリーは、ジュリアンの手を力強く握り締めた。
*
『ずいぶんと用心深くなったものだな。』
「当たり前だ。
おまえは俺のことを馬鹿だと思ってるんだろうけど、俺にも学習能力ってもんが少しはあるんだ。」
食事をしていったらどうだと誘ってくれたラリーに、今夜はスージーと二人でゆっくりしてくれと言い残してジュリアンはラリーの家を後にした。
しかし、ジュリアンは宿には戻らず、こっそりとラリーの家の庭に身を潜めた。
『用心深いのは良いが、ディックは自警団の詰所にいるのだぞ。
まさか、もう一度舞い戻って来るなんてことはないと思うがな。』
「甘い!
奴の最後の言葉を聞いていなかったのか!
ディックは、他の男に取られるくらいならって、スージーを殺そうとまでした男なんだぞ!
どんなことをするかわからねぇ!
俺は今夜は一晩中、ここで見張るんだ!」
『なるほどな…
まぁ、おまえもそれほど本気だということなんだろう。
おまえの気の済むようにすれば良い…』
「うん…
俺…もう二度と失敗はしたくないんだ。
だから…俺の出来ることなら…なんでもやっときたいんだ!」
エレスは、そんなジュリアンに優しい笑顔で頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる