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決意
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「おまえって奴は…
本当に何もわかってないんだな…」
「あんたこそ、僕のことなんて何も知らないくせに!」
「わかるさ…
おまえが、病気のおふくろさんを救いたくて、金を盗んだこと…ラリーから聞いたよ。
あの時から、おまえはスージーのことが好きになったんだな。」
「ラリーの奴、そんなことまで!!」
ディックは、そう言いながら拳で床を叩きつけた。
「そうじゃない…ラリーはすごく後悔していた。
母親を失って一人ぼっちになってしまい、頼って来たおまえにどうしてもっと優しくしてやれなかったんだろうって泣いて悔やんでた。
ラリーは、おまえが羨ましかったとも言ってたよ。
母親を救うために、悪い事だとわかっていてもやってしまったおまえの気持ちをちゃんと理解もしてたし、そんな風に自分の気持ちに正直に突っ走ってしまうおまえが羨ましいと言ったんだ。」
「う…嘘だ…
ラリーは僕に怒鳴った。
他人のものを盗むなんて、どんな理由があったってやっちゃいけないことなんだって怒鳴られた。
でも、スージーはそんな僕をなぐさめてくれた。」
「ラリーはスージーの兄さんなんだ。しかも、奴らも親はいない。たった二人の兄妹だ。
自分がしっかりしてないとだめだって考えたんだな。
だから、おまえをかばうことが出来なかった。」
「嘘だ…ラリーはそんなこと…」
「嘘じゃない!
だったら、なぜ、その後、ラリーは町の人におまえが金を盗んだことを言いつけなかったんだ?」
その言葉に、ディックは小さく口を開け、声にならない声を発した。
「ディック…おまえのスージーに対する気持ちは恋じゃない。
それは、母親に対する気持ちのようなもんだ。
悪い事をしても頭ごなしに怒らず、受け入れてくれたスージーに母親の姿を重ねてただけなんだ。
スージーももちろんそうだ。
おまえのことを男として好きだからそんなことを言ったんじゃない。
スージーは優しい女なんだ。
それはおまえにもわかるよな?」
ディックは俯いたまま、何も言わなかった。
本当に何もわかってないんだな…」
「あんたこそ、僕のことなんて何も知らないくせに!」
「わかるさ…
おまえが、病気のおふくろさんを救いたくて、金を盗んだこと…ラリーから聞いたよ。
あの時から、おまえはスージーのことが好きになったんだな。」
「ラリーの奴、そんなことまで!!」
ディックは、そう言いながら拳で床を叩きつけた。
「そうじゃない…ラリーはすごく後悔していた。
母親を失って一人ぼっちになってしまい、頼って来たおまえにどうしてもっと優しくしてやれなかったんだろうって泣いて悔やんでた。
ラリーは、おまえが羨ましかったとも言ってたよ。
母親を救うために、悪い事だとわかっていてもやってしまったおまえの気持ちをちゃんと理解もしてたし、そんな風に自分の気持ちに正直に突っ走ってしまうおまえが羨ましいと言ったんだ。」
「う…嘘だ…
ラリーは僕に怒鳴った。
他人のものを盗むなんて、どんな理由があったってやっちゃいけないことなんだって怒鳴られた。
でも、スージーはそんな僕をなぐさめてくれた。」
「ラリーはスージーの兄さんなんだ。しかも、奴らも親はいない。たった二人の兄妹だ。
自分がしっかりしてないとだめだって考えたんだな。
だから、おまえをかばうことが出来なかった。」
「嘘だ…ラリーはそんなこと…」
「嘘じゃない!
だったら、なぜ、その後、ラリーは町の人におまえが金を盗んだことを言いつけなかったんだ?」
その言葉に、ディックは小さく口を開け、声にならない声を発した。
「ディック…おまえのスージーに対する気持ちは恋じゃない。
それは、母親に対する気持ちのようなもんだ。
悪い事をしても頭ごなしに怒らず、受け入れてくれたスージーに母親の姿を重ねてただけなんだ。
スージーももちろんそうだ。
おまえのことを男として好きだからそんなことを言ったんじゃない。
スージーは優しい女なんだ。
それはおまえにもわかるよな?」
ディックは俯いたまま、何も言わなかった。
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