替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする

晩餐会の夜

３

＊



 （疲れた……）



 晩餐会が終わり、部屋に戻って来たら、ものすごい疲労感に襲われた。
 多分、これは気疲れだ。



でも、今日やるべきことはすべて終わった。
 失敗という失敗もなく、順調に…
良かった…本当に良かった。
 服を着替えさせられ、侍女たちが下がったら、自然と大きな溜め息が漏れた。



やり遂げたという充実感もあったけど、それよりも疲れの方が大きかった。
 報告したいこともいっぱいあったし、シャルアさんとも話したかったけど、時間も遅いし、隠し部屋には明日行こうと考えた。
とにかく体を休めたくて、寝室に向かおうとした時、レベッカさんが私の所にやって来た。



 「シャキア様、ルーサー様がお見えです。」

 「ルーサー様が？」

なんだろう？
さっき、別れたばかりなのに…



「お通しして下さい。」



ルーサーさんは、強張った顔で部屋に入って来た。
 一目見て、何かあったのは間違いないと思えた。



 「ルーサー様、どうなさったのですか？」

 「実は、フェルナンがいなくなったんです。」

 「フェルナンさんが…？」

 「これを…」

ルーサーさんは、私に紙切れを差し出した。
そこには、ルーサーさんとマーカスさんへの感謝と、結婚を祝う短い言葉が書かれていた。