25 / 697
004. 大神殿
3
しおりを挟む
あいつとは確かに仲が悪かったけど、まさかここまで酷いことをされるとは…
ハリーは、きっと最初からこうするつもりだったんだ。
そこまで嫌われて…いや、憎まれていたことに気付かなかったのは本当に迂闊だった。
だが、今更そんなことを悔やんでもどうにもならない。
探査機に積み込まれているのは、人間ひとりが約一週間生きていけるだけの食料と酸素だけだ。
金星には、もちろん空気もなければ知的生命体もいない。
つまり、僕の命は、あと一週間しかもたないということだ。
(最悪だ…今回の任務がこんなことになるなんてな…)
これからの一週間をどう過ごそう…
そんなこと、決められるはずもなかった。
だが、その場にじっとしていると余計に気が滅入りそうだったので、僕はやみくもに探査機を走らせた。
*
(なんだ、あれは…)
金星に置いてけぼりにされて三日目のことだった。
この二日間というもの、砂漠化した風景しか見ていなかったが、探査機のレーダーは三日目に巨大な建物のようなものを発見したのだ。
金星にこのような建造物があるなんて報告はなかった。
僕は、好奇心にかられ、そこに向かって探査機を走らせた。
近付くにつれ、それは偶然に出来たものではなく、明らかに何者かが作った建造物だということがわかった。
それは、地球の神殿を思わせるものだった。
一体、誰が、何のためにこのようなものを…!?
僕は高鳴る胸を押さえられないまま、その建物の傍に向かった。
ハリーは、きっと最初からこうするつもりだったんだ。
そこまで嫌われて…いや、憎まれていたことに気付かなかったのは本当に迂闊だった。
だが、今更そんなことを悔やんでもどうにもならない。
探査機に積み込まれているのは、人間ひとりが約一週間生きていけるだけの食料と酸素だけだ。
金星には、もちろん空気もなければ知的生命体もいない。
つまり、僕の命は、あと一週間しかもたないということだ。
(最悪だ…今回の任務がこんなことになるなんてな…)
これからの一週間をどう過ごそう…
そんなこと、決められるはずもなかった。
だが、その場にじっとしていると余計に気が滅入りそうだったので、僕はやみくもに探査機を走らせた。
*
(なんだ、あれは…)
金星に置いてけぼりにされて三日目のことだった。
この二日間というもの、砂漠化した風景しか見ていなかったが、探査機のレーダーは三日目に巨大な建物のようなものを発見したのだ。
金星にこのような建造物があるなんて報告はなかった。
僕は、好奇心にかられ、そこに向かって探査機を走らせた。
近付くにつれ、それは偶然に出来たものではなく、明らかに何者かが作った建造物だということがわかった。
それは、地球の神殿を思わせるものだった。
一体、誰が、何のためにこのようなものを…!?
僕は高鳴る胸を押さえられないまま、その建物の傍に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
初めまして婚約者様
まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」
緊迫する場での明るいのんびりとした声。
その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。
○○○○○○○○○○
※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。
目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)
年に一度の旦那様
五十嵐
恋愛
愛人が二人もいるノアへ嫁いだレイチェルは、領地の外れにある小さな邸に追いやられるも幸せな毎日を過ごしていた。ところが、それがそろそろ夫であるノアの思惑で潰えようとして…
しかし、ぞんざいな扱いをしてきたノアと夫婦になることを避けたいレイチェルは執事であるロイの力を借りてそれを回避しようと…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる