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007. 森の木霊
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(……も…もうだめ……)
ナギは立ち止まり覚悟を決めたように振り返ると、大きく肩を動かし息を整えながら、剣を構える。
剣を握る手にもまだ力はこもらない。
ナギが落ちつく暇もないまま、そこに現れたのはナギの三倍程の大きさを持つ不気味な妖獣…
ギラギラと光る目には、確実な殺意が宿っていた。
「あ…あんたなんかに殺られるわけにはいかない!」
その言葉を嘲笑うかのように、妖獣はナギに襲いかかる。
ナギは、妖獣の身体を交わしながら間合いを計るが、その剣はなかなか振り下ろされることはない。
身を交わすだけで精一杯なのだ。
「うっ!」
そのうちに、獣の鋭い爪がナギの肩から胸をひっかいた。
引き裂かれたナギの服に、赤い染みが広がっていく…
「よっ…よくもっ!」
血の臭いに興奮した妖獣が、地面を蹴り弾みを付けて高く飛びあがると、そのままナギの上にのしかかる。
その場に響き渡る断末魔の叫び…
一瞬の間を置いて、妖獣の身に動きがあり…
その身体の下から這い出して来たのは、ナギだった。
(うわぁ…気持ち悪い…)
妖獣から流れ出す血にまみれた自分の服をナギは人指し指と親指でつまみあげ、しかめっ面をする。
『逃げて…
出来るだけ遠くへ…』
「えっ?!」
不意に聞こえた声にナギはあたりを見渡すが、そこには誰もいない。
(そうだ、逃げなきゃ!)
理由もわからないままに、ナギは走り出す…
どこかもわからない森の中を…
ナギは立ち止まり覚悟を決めたように振り返ると、大きく肩を動かし息を整えながら、剣を構える。
剣を握る手にもまだ力はこもらない。
ナギが落ちつく暇もないまま、そこに現れたのはナギの三倍程の大きさを持つ不気味な妖獣…
ギラギラと光る目には、確実な殺意が宿っていた。
「あ…あんたなんかに殺られるわけにはいかない!」
その言葉を嘲笑うかのように、妖獣はナギに襲いかかる。
ナギは、妖獣の身体を交わしながら間合いを計るが、その剣はなかなか振り下ろされることはない。
身を交わすだけで精一杯なのだ。
「うっ!」
そのうちに、獣の鋭い爪がナギの肩から胸をひっかいた。
引き裂かれたナギの服に、赤い染みが広がっていく…
「よっ…よくもっ!」
血の臭いに興奮した妖獣が、地面を蹴り弾みを付けて高く飛びあがると、そのままナギの上にのしかかる。
その場に響き渡る断末魔の叫び…
一瞬の間を置いて、妖獣の身に動きがあり…
その身体の下から這い出して来たのは、ナギだった。
(うわぁ…気持ち悪い…)
妖獣から流れ出す血にまみれた自分の服をナギは人指し指と親指でつまみあげ、しかめっ面をする。
『逃げて…
出来るだけ遠くへ…』
「えっ?!」
不意に聞こえた声にナギはあたりを見渡すが、そこには誰もいない。
(そうだ、逃げなきゃ!)
理由もわからないままに、ナギは走り出す…
どこかもわからない森の中を…
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