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011. 称号
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それから、リゲルはまた部屋に閉じこもり、発明に没頭した。
からくり兵の生産は追い付かず、戦況は、ますます不利になり、敵はすでに国境近くまで迫っていた。
万事休す…国王はついに降伏することを考えた。
そんな時…
「王様!お待たせ致しました!」
「リゲル!
何か良い策でもみつかったのか?」
「はい、ついに、完成したのです。」
リゲルがそう言うと、国王の前に見たこともない不思議な機械が運び込まれた。
パンを焼く窯のような形の機械を目の前にして、国王は小首を傾げた。
「論理上は完成しているのですが、なにせ、まだ実際に使ったことはありません。
王様、今、作動させてよろしいですか?」
「なんだかよくはわからんが…
今のこの状況を好転出来るのなら、ぜひやってくれ。」
「はい、では、動かします!」
リゲルが、いくつかのボタンとレバーを押し込んだ。
「あぁっ!」
不意に地震のようなものが起き、その場にいた者達が大きな声を上げた。
「……リゲル……特に何も変わっていないようだが、失敗か?」
「いえ、機械では時空を飛び越えたことになっていますが…
王様、国境の様子を調べていただけますか?」
「国境に?あい、わかった。」
国王は使者を国境に向かわせた。
使者の報告は信じられないものだった。
国境にいるはずの敵国の軍隊はおらず、まわりには何もないと言うのだ。
「なにもないとはどういうことだ?」
「それが…まるで、この国だけが切り取られたような状態なのです。」
その話を聞いて、リゲルは手を打ちました。
「成功です!この国は、国ごと時空を飛び越えたのです。」
「国ごと、時空を…」
その後、国境近くに出向いた国王やリゲルは、使者の言った通りだということを確信した。
国の外は、何もない。
国だけが闇の中に浮かんでいるような状態だった。
それは、気味の悪い景色ではあったが、その代わり敵国が攻めて来ることはなく、生活にもこれと言って支障はない。
「リゲル…良くやってくれた!
さすがは発明王の称号を持つ男だ!
いや、そなたにはもっとふさわしい称号を与えるべきだな。
何が良いか……」
「いえ、僕は今のままでけっこうです。
僕は『発明王』と呼ばれることが一番嬉しいのです!
これからもこの国のため、さらなる発明に精進いたします!」
そう言ったリゲルに、国王は満足げな笑みを返した。
からくり兵の生産は追い付かず、戦況は、ますます不利になり、敵はすでに国境近くまで迫っていた。
万事休す…国王はついに降伏することを考えた。
そんな時…
「王様!お待たせ致しました!」
「リゲル!
何か良い策でもみつかったのか?」
「はい、ついに、完成したのです。」
リゲルがそう言うと、国王の前に見たこともない不思議な機械が運び込まれた。
パンを焼く窯のような形の機械を目の前にして、国王は小首を傾げた。
「論理上は完成しているのですが、なにせ、まだ実際に使ったことはありません。
王様、今、作動させてよろしいですか?」
「なんだかよくはわからんが…
今のこの状況を好転出来るのなら、ぜひやってくれ。」
「はい、では、動かします!」
リゲルが、いくつかのボタンとレバーを押し込んだ。
「あぁっ!」
不意に地震のようなものが起き、その場にいた者達が大きな声を上げた。
「……リゲル……特に何も変わっていないようだが、失敗か?」
「いえ、機械では時空を飛び越えたことになっていますが…
王様、国境の様子を調べていただけますか?」
「国境に?あい、わかった。」
国王は使者を国境に向かわせた。
使者の報告は信じられないものだった。
国境にいるはずの敵国の軍隊はおらず、まわりには何もないと言うのだ。
「なにもないとはどういうことだ?」
「それが…まるで、この国だけが切り取られたような状態なのです。」
その話を聞いて、リゲルは手を打ちました。
「成功です!この国は、国ごと時空を飛び越えたのです。」
「国ごと、時空を…」
その後、国境近くに出向いた国王やリゲルは、使者の言った通りだということを確信した。
国の外は、何もない。
国だけが闇の中に浮かんでいるような状態だった。
それは、気味の悪い景色ではあったが、その代わり敵国が攻めて来ることはなく、生活にもこれと言って支障はない。
「リゲル…良くやってくれた!
さすがは発明王の称号を持つ男だ!
いや、そなたにはもっとふさわしい称号を与えるべきだな。
何が良いか……」
「いえ、僕は今のままでけっこうです。
僕は『発明王』と呼ばれることが一番嬉しいのです!
これからもこの国のため、さらなる発明に精進いたします!」
そう言ったリゲルに、国王は満足げな笑みを返した。
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