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ルカ(聖夜月ルカ)

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027. 昏き理(くらきことわり)

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私と彼、咲也との仲は至って順調で、しばらくすると彼の家に遊びに行くようにもなった。
彼の両親は共働きで遅くまで帰って来ることはないから、家にも行きやすい。

「ちょっとお茶わかしてくるね。」

「うん。」

彼が部屋を出た隙に私は隣の部屋の扉をほんの少し開けて、中をのぞく。
中には誰もいないけど、その部屋の主の存在感が感じられる。

咲也の部屋とは違い、とても落ち着く部屋…
私の居場所だと思える部屋…




遠い所へ自分の想いを馳せ甘い時を感じている所へ、不躾な足音が階段を上って来るのが聞こえた。
私は素早く咲也の部屋に戻り、なにくわぬ顔をして咲也を迎える。

「水青は本当によく笑ってるな。
ま、女は明るいのが一番だけどな。」

「なによ、それじゃあまるで私が脳天気みたいじゃない!」

「その通りなんじゃないの?
水青の悩みは明日のお弁当のおかずのこと位だろ!」

「ひっど~い!」

「でも、当たりだろ?
俺は水青のそういう所が好きなんだけどさ…なぁ~んてな!」



あなたは何もわかってない…
私が本当に好きなのはあなたの兄さんだってことも、あなたとつきあってるのはあなたの兄さんに近付きたいからだってことも…

なのに、私のすべてをわかってると思ってる…
おめでたい人…
そう思うと、おかしくてまた笑いがこみあげてきた。



「なに、笑ってんだよ!」

「咲也の顔見てたらなんだか嬉しくなるのよ。」

「よく言うよ!」



咲也はそう言いながら私を抱き締める。

私の愛する人と造りは似てるけど、まったく違う瞳…
なにも見てはおらず、何の影も持たない明るい瞳…
いまだ、あの朝、なぜ私があんな場所を走っていたかということにも疑問を感じていないあなたは、私の本当の気持ちに気付くことはないだろう…

それで良い…
今のままで皆、幸せなのだから…

私の想いはまだ伝えない…
伝えなくてもきっと私達は結ばれる…そう、きっと魂がひきあう時がいつか来る…

その時、あなたのその明るい瞳はどうなるのだろう…?!


咲也の力強い腕の中で、私は一人微笑んだ…

 
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