Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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039. 太陽の希望

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 「良かった、本当に良かった…!」

 「シリウス様、なんとお礼を申せば良いのか…」

マーサとサミュエルは、涙を流し、シリウスに頭を下げた。



シリウスは、この国の王子だった。
このあたりが悪天候に見舞われ、大きな被害を被ったことを知り、税を免除することと、国からの支援を約束し、その代わりにリーザの生贄をやめさせた。



 「いえ、お礼なんて…
このあたりは我が領土の最端…滅多に訪れることもなく、このあたりの災難について気付けなかった我々にも問題はあるのですから。」

 「そんなこと…
本当に感謝します。」

 「リーザさんは幸せ者だね。こんなにお優しいご両親がいらして…」

 「はい、実は両親は育ての親なんです。
 捨て子だった私を引き取って、育ててくれたのです。」

 「……そうだったんですか。」

 「はい、実の両親にどんな事情があったのかわかりませんが…
このペンダントだけを残して、私は捨てられたのです。」

そう言って、リーザは鎖を引っ張り、金色に輝くペンダントを首から取り出した。



 「……こ、これは…!」

シリウスは、目を大きく見開き、ペンダントを凝視する。



 「シリウス様…どうかなさったのですか?」

 「リーザさん…あなた、今、おいくつですか?」

 「16です。」

 「捨てられていたのは…いつです?」

 「16年前の夏のことでした。」

 「やはりそうか!
あなたは、まだ生まれたばかりの赤ん坊の時に誘拐されたアリーシュ様に違いありません。
そのペンダントは、我が一族に伝わるもの…
間違いありません!」

シリウスの言葉に、リーザたちはただ戸惑うだけだった。



 「どうか、僕と一緒に城に来てください!」

 「……いえ、私は参りません。
 私はこの村の娘・リーザ…それはこれからも変わりません。」

 「僕と兄は側室の産んだ子供です。
 正当な後継者はあなたなのですよ!」

 「あなたのような方がいらっしゃれば、この国は安泰です。
どうか、私のことはお忘れになって下さい。」



どれほど説得しても、リーザの気持ちは変わることがなかった。
その固い決意に、シリウスもついに折れた。



 *



 (不思議なこともあるものね…)



レスター湖のほとりをゆっくりと歩きながら、リーザはシリウスとの出会いに想いを馳せていた。



 身分のことよりも、捨てられたのではなかったということが、リーザには一番嬉しい報せだった。
そして、血の繋がる人がこの世にいるということも…



生贄が取りやめになってから、悪天候は嘘のようになくなった。
 優しい日差しが作物を照らし、作物はすくすくと生育し、村は活気を取り戻した。



 「ありがとう、太陽さん…
これからもずっとこの村が幸せでありますように…」



リーザは空を仰ぎ、眩しい太陽に向かってそっと呟いた。

 
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