296 / 697
045. ヤマタノオロチ
5
しおりを挟む
剣四郎の頭にはある恐ろしい想いが浮かんでいた。
実はこの男、やっとめぐりあった最愛の女性に裏切られ、傷心の旅にこの地を訪れていたのである。
この派手ななりとは裏腹に、意外と生真面目で照れ屋な剣四郎…
ある時、街を歩いてる時に逆ナンしてきたのは、剣四郎の好みにピッタリのかわいコちゃん!
一目で恋に落ちてしまった彼は彼女に出来る限り尽くしたが、彼女の方はルックスとはまるで違って地味な剣四郎にすっかり興醒め。
しばらくの間は、便利な男としてつきあってはもらえたが、つい先日「あんたは重いのよ!」とあっさりふられてしまったのだった。
三日三晩泣き続けた剣四郎…これではいかんと一念発起!
彼女を忘れるための傷心旅行…いや、新しい出会いを求めての前向きな旅をしていたのだった。
昨日は、このあたりで有名な縁結びの神様にお参りをした。
「どうぞ、この俺にぴったりな素晴らしい人と出来るだけ早い時期にめぐりあえますように…
見てくれなんてまったく気にしません!
どこの国の人でもどんな人でも良いんです。
俺のことを理解して愛してくれる人ならどんな人でも…!」
(あ…あれがまずかったんだ…
性別を言わなかったから…)
剣四郎はがっくりと肩を落とした…
「剣四郎殿。どうかなさったのですか?」
「……いや……なんでもない…」
心配そうな顔をして、剣四郎の顔をのぞきこむロディ…
(…見ず知らずの俺のことをこんなに心配してくれて…
ううぅ…本当にこいつが俺の運命の相手なのか?!)
剣四郎の瞳に熱いものが溜まっていく…
「剣四郎殿…?」
(……神様がそうおっしゃるなら、そうなのかもしれないな…
……ん?…そうだ!!
まだ、あそこがあったんだ!!)
突然のロディとの出会いですっかり忘れていたが、この男には実は目指す所があったのだ!
それは、龍神の滝。
そこには、最強の縁結びパワーを持つ龍が棲むと言われており、そこで龍神に祈りを捧げ、その直後に水音が聞こえたら必ずその縁は結ばれると言われている場所だ。
しかし、この滝、ある意味「都市伝説」のようなもので、実際の場所を知ってる者はおろか、本当にそこへ行ったことがあるという者の話も実に胡散臭い話だった。
剣四郎はその場所をネットで調べ、見当を付けてやっとここまでやって来たのだ。
実はこの男、やっとめぐりあった最愛の女性に裏切られ、傷心の旅にこの地を訪れていたのである。
この派手ななりとは裏腹に、意外と生真面目で照れ屋な剣四郎…
ある時、街を歩いてる時に逆ナンしてきたのは、剣四郎の好みにピッタリのかわいコちゃん!
一目で恋に落ちてしまった彼は彼女に出来る限り尽くしたが、彼女の方はルックスとはまるで違って地味な剣四郎にすっかり興醒め。
しばらくの間は、便利な男としてつきあってはもらえたが、つい先日「あんたは重いのよ!」とあっさりふられてしまったのだった。
三日三晩泣き続けた剣四郎…これではいかんと一念発起!
彼女を忘れるための傷心旅行…いや、新しい出会いを求めての前向きな旅をしていたのだった。
昨日は、このあたりで有名な縁結びの神様にお参りをした。
「どうぞ、この俺にぴったりな素晴らしい人と出来るだけ早い時期にめぐりあえますように…
見てくれなんてまったく気にしません!
どこの国の人でもどんな人でも良いんです。
俺のことを理解して愛してくれる人ならどんな人でも…!」
(あ…あれがまずかったんだ…
性別を言わなかったから…)
剣四郎はがっくりと肩を落とした…
「剣四郎殿。どうかなさったのですか?」
「……いや……なんでもない…」
心配そうな顔をして、剣四郎の顔をのぞきこむロディ…
(…見ず知らずの俺のことをこんなに心配してくれて…
ううぅ…本当にこいつが俺の運命の相手なのか?!)
剣四郎の瞳に熱いものが溜まっていく…
「剣四郎殿…?」
(……神様がそうおっしゃるなら、そうなのかもしれないな…
……ん?…そうだ!!
まだ、あそこがあったんだ!!)
突然のロディとの出会いですっかり忘れていたが、この男には実は目指す所があったのだ!
それは、龍神の滝。
そこには、最強の縁結びパワーを持つ龍が棲むと言われており、そこで龍神に祈りを捧げ、その直後に水音が聞こえたら必ずその縁は結ばれると言われている場所だ。
しかし、この滝、ある意味「都市伝説」のようなもので、実際の場所を知ってる者はおろか、本当にそこへ行ったことがあるという者の話も実に胡散臭い話だった。
剣四郎はその場所をネットで調べ、見当を付けてやっとここまでやって来たのだ。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
初めまして婚約者様
まる
恋愛
「まあ!貴方が私の婚約者でしたのね!」
緊迫する場での明るいのんびりとした声。
その言葉を聞いてある一点に非難の視線が集中する。
○○○○○○○○○○
※物語の背景はふんわりしています。スルッと読んでいただければ幸いです。
目を止めて読んで下さった方、お気に入り、しおりの登録ありがとう御座いました!少しでも楽しんで読んでいただけたなら幸いです(^人^)
年に一度の旦那様
五十嵐
恋愛
愛人が二人もいるノアへ嫁いだレイチェルは、領地の外れにある小さな邸に追いやられるも幸せな毎日を過ごしていた。ところが、それがそろそろ夫であるノアの思惑で潰えようとして…
しかし、ぞんざいな扱いをしてきたノアと夫婦になることを避けたいレイチェルは執事であるロイの力を借りてそれを回避しようと…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる