312 / 697
047. 大ピンチ!
2
しおりを挟む
「リングイード、鍵なんてかけてどうしたの??」
僕は、昨夜はとうとう一睡も出来なかった。
時間が経つにつれて、事の重大さがより一層強く感じられた。
暗い部屋の片隅で丸くなって、僕は途方にくれていた。
扉を叩く音とその声から、訪ねて来たのはランザリーナだとわかった。
ランザリーナは、僕と同じ真っ白な羽根猫。
ちょっと気は強いけど、かなりの美人で僕の自慢の彼女。
「リングイード、いるんでしょう?
開けてちょうだい!」
僕はなにも答えなかった。
いくら大好きなランザリーナでも会いたくなかった。
「ひどいじゃないの!
どういうことよ!」
「わっ!ランザリーナ!!
どうしてここへ?!」
「馬鹿ね、普通の鍵なんてかけても、通過の魔法で壁をすりぬけて入ってこられるじゃないの!」
そうだった…
ランザリーナは、魔法の腕もたいしたもんなんだ。
「ねぇ、リングイーダ、なにかあったの?」
「な、何もないさ。」
「じゃあ、なんでこんな所にひきこもってるのよ。
何かあったんでしょう?」
「な、何もないって言ってるだろう!
うるさいな!」
「よく言うわ。
だいたいのことは見当がついてるのよ。
エンパナーダのことでしょう!」
「ど、どうしてそれを…?!」
「やっぱり、そうだったのね。
いつもだったら、朝から遊んでるエンパナーダが、昼を過ぎてもいないからおかしいと思ったのよ。
どうしたの?
エンパナーダと何かあったの?!」
「う……ランザリーナ…!!
大変なことになっちゃったんだ…
僕…どうしたら良いんだよ~!」
「リングイード、一体どうしたの?!」
情けないことに、エンパナーダの名前を聞いた僕は泣き出してしまっていた。
そして、心の中の荷物を吐き出すように、ランザリーナにすべてを話してしまっていた。
「な、なんですって!
あの封印の洞窟に…!
大変じゃないの!早く、長老に話さないと…!!」
「……でも、そんなこと話したら、僕達どんな罰を受ける事か…」
「あなたはそれだけのことをやってしまったんですもの。
どんな重い罰であれ、受けなきゃ仕方ないでしょう!」
「そんなぁ……」
僕は、昨夜はとうとう一睡も出来なかった。
時間が経つにつれて、事の重大さがより一層強く感じられた。
暗い部屋の片隅で丸くなって、僕は途方にくれていた。
扉を叩く音とその声から、訪ねて来たのはランザリーナだとわかった。
ランザリーナは、僕と同じ真っ白な羽根猫。
ちょっと気は強いけど、かなりの美人で僕の自慢の彼女。
「リングイード、いるんでしょう?
開けてちょうだい!」
僕はなにも答えなかった。
いくら大好きなランザリーナでも会いたくなかった。
「ひどいじゃないの!
どういうことよ!」
「わっ!ランザリーナ!!
どうしてここへ?!」
「馬鹿ね、普通の鍵なんてかけても、通過の魔法で壁をすりぬけて入ってこられるじゃないの!」
そうだった…
ランザリーナは、魔法の腕もたいしたもんなんだ。
「ねぇ、リングイーダ、なにかあったの?」
「な、何もないさ。」
「じゃあ、なんでこんな所にひきこもってるのよ。
何かあったんでしょう?」
「な、何もないって言ってるだろう!
うるさいな!」
「よく言うわ。
だいたいのことは見当がついてるのよ。
エンパナーダのことでしょう!」
「ど、どうしてそれを…?!」
「やっぱり、そうだったのね。
いつもだったら、朝から遊んでるエンパナーダが、昼を過ぎてもいないからおかしいと思ったのよ。
どうしたの?
エンパナーダと何かあったの?!」
「う……ランザリーナ…!!
大変なことになっちゃったんだ…
僕…どうしたら良いんだよ~!」
「リングイード、一体どうしたの?!」
情けないことに、エンパナーダの名前を聞いた僕は泣き出してしまっていた。
そして、心の中の荷物を吐き出すように、ランザリーナにすべてを話してしまっていた。
「な、なんですって!
あの封印の洞窟に…!
大変じゃないの!早く、長老に話さないと…!!」
「……でも、そんなこと話したら、僕達どんな罰を受ける事か…」
「あなたはそれだけのことをやってしまったんですもの。
どんな重い罰であれ、受けなきゃ仕方ないでしょう!」
「そんなぁ……」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる