Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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057. 陽炎

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僕は、気持ちを半ば強引に切り換え、寝る場所を求めて町のはずれまで歩いた。
農機具の小屋でもないかと期待したけど、そのあたりには畑はなく、だだっ広い空き地が広がるだけだった。
そこから先は森に続いてる。
空き地よりは森の方がまだ良さそうだと思い、僕は森に向かって歩き始めた。
さほど深い森ではなさそうだから、危険なものはいないと思ったけど、念のため、あまり奥までは入らない事にした。
歩いてるうちにあたりは暗くなって来て、僕はランプに火を灯した。

森で野宿する時は、たいてい大きな木の根元で寝ることにしてる。
もたれやすいし、万一、突然の雨にあっても雨宿りが出来るから。



(大きな木…大きな木…と…)

ランプであたりを照らし出しながら森の中を歩いていると、ちょうど良さそうな木に出くわした。
あそこにしようと近付いていくと、木の前の空気がゆらゆらと揺らめき出した。
僕は見間違いか?と目をこすり、今度はパッチリと目をあけて空気の揺らめきを見つめていると、その中から小さな蝶のようなものが突然現れ、その瞬間に揺らめきは消え失せた。
びっくりしたのは僕だけじゃなく、相手も同じだったらしく、小さなものは僕を見てその小さな身体からは考えられないようなものすごい叫び声を上げた。



「ちょ…ちょっと…
なんて声出すんだよ。
そんなに驚くことないだろう?」

言葉が通じるかどうかわからなかったけど、僕は、小さなものに向かってそう話しかけた。



「だ、だ、だって…見られちゃいけないのに…
見られちゃったんだもん!」

「見られた…?」

てっきり僕の容姿に驚いたか不快感を感じたのだと思っていた僕は、その言葉にどこかほっとした。



「安心して。
僕、君のことは誰にも言わないから。」

「そうじゃなくて!
ここが妖精の村への入口だってことを知られちゃ困るの!!」

「えっ!妖精の村への入口!?」

その言葉に、小さなもの…どうやら妖精らしいそいつは、両手で口を押さえ込む。
自ら、僕の知らないことを喋ってしまったことで、妖精はとてもあせっているように見えた。
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