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ルカ(聖夜月ルカ)

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058. 冬空の虹

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次の日、クリントとジェシカは、冬空の虹を探して旅立った。
クリントのいう場所へは、馬車を乗り継いでも2ヶ月という長い歳月がかかった。
さらに、クリントがジェシカを案内したのは、一番近くの町からも数日かかる場所だった。







「俺が今までいろんなとこから聞いた話をまとめると、冬空の虹があるのはこのあたりらしい。」

「このあたり…って…
やけに、寂しい所だね…何もないじゃないか。
しかも、なんでこんなに寒いのさ…!」

目の前に広がるのは小高い山。
所々に、根雪が積もっている。



「この山にお宝があるっていうのかい?
たいした手掛かりもなく、山ん中からお宝の場所を探すなんて、かなり難しいんじゃないかい?」

「だろうな…」

「だろうなって、あんた…」

「難しいからこそ、今までみつからなかったんじゃないか?!
簡単にみつかるようなら、もうとっくに掘り出されてるだろ。」

「そりゃ、そうだけどさ…」

「とりあえず、どこか、休める場所をみつけよう。
このあたりなら、洞窟みたいなもんがあるだろう。」

「洞窟?!」



(なんだか酷い所に来てしまったような気がするよ…
ここに来るまでの路銀も私持ちだったし、この2ヶ月でかなりの出費だよ。
しかも、野宿の次は、洞窟暮らし…?!勘弁してよ…)


心の中で愚痴を呟きながら、ジェシカはクリントの後を着いて行く。
しばらく歩くと、ちょうど良い頃合の洞窟がみつかった。



「よし、ここを当分の宿にしよう。
まずは、作戦会議だな。
冬空の虹って聞いてなにか思いつく事はないか?」

「この地域はこんなに寒いから、それで冬空って言われてんじゃないの?」

「……貧困な発想だな…そんなこと、誰でも思いつく。」

「貧困で悪かったね!
だったら、あんたにはなにかあるのかい?」

「……ない。」

「だったら偉そうなこと言うな!」

「……あんたの言うとおりだな。
じゃあ、とりあえず、このあたりを探してみよう。」

洞窟の奥に荷物を置いて、ジェシカとクリントは手掛かりを求めて山の中をさ迷った。
しかし、何日経ってもそれらしきものを発見することは出来なかった。 
 
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