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076. 野望
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「おぉぉぉぉ~~!!」
会場がうねるような大きなどよめきに包まれる中、舞台の上を胡燕はしずしずと優雅に歩いて行く。
東洋のキモノなる衣服をアレンジした「和風ヴィジュアル系」がコンセプトとなったその出で立ちは、個性的でインパクトの強いものだった。
薄く化粧を施した胡燕は、男性とも女性ともわからない妖しげな魅力に満ち溢れ、いつしか女性達の瞳はハート型に変わっていた。
「最後になって超イケメンが登場しましたね!
わぁ、お肌も透き通るみたいに綺麗ですね。
何か特別なお手入れでもなさってるんですか?」
胡燕は、その質問には答えずただ美しい微笑を返すだけだった。
「それは秘密ってことですね。
では、会場の皆さんへアピールをお願いします。」
胡燕は、会場に向かって、再び優雅な微笑を浮かべ頭を下げた。
ちょうど、その時、李雲からのウィンクの合図をみつけ、胡燕はゆっくりと片目を瞑る。
「きゃああーーーーーー!!」
ウィンクの飛ばされた方向の客席から、数十名の失神者が出たことに、李雲はほくそ笑む…
(これはイケる…!優勝間違いなしじゃ!!)
李雲の思惑通り、胡燕は何なく一次審査を通過した。
当然のことながら、楊俊も通過した十名の中に名を連ねていた。
「胡燕殿、次は水着審査ですぞ。
ささ、早くこれにお着替え下さい!」
胡燕は困惑の表情を浮かべつつ、李雲に手渡されたものを手にカーテンの裏へ入って行った。
「きゃあああーーーーー!」
場内から聞こえてきた黄色い歓声に、李雲が舞台の袖からそっと会場をのぞくと、そこには爽やかな海パン姿の楊俊が、小道具のサーフボードを抱えて立っていた。
日焼けした小麦色の肌に白い歯がきらりと輝く。
(楊俊様は今年もやはりさわやか路線で来ましたな。
これなら勝てる…絶対に…!)
李雲は、拳を握り締めてガッツポーズを決めると、不気味な笑みを浮かべた。
「次は、50番、胡燕さんの登場です!」
その名を聞いて、早くもファンになった女性達の黄色い歓声が飛び交った。
だが、胡燕が登場すると場内の歓声は静まり、低くどこか不気味な男性達の溜息に包まれた。
女性達は、目のやり場に困り、顔を赤らめながら両目を隠し、指の間から舞台そっとのぞき見る…
そんな中、真っ白な褌姿の胡燕がゆっくりと舞台の中央に進み出る。
(なんだ、なんだ、この異様な雰囲気は…皆、ひいてるのではないか?
……あぁ、早く終わってくれ…)
逃げ出したい想いをぐっと堪える胡燕の表情は憂いに満ち、筋肉質の細マッチョな身体の褌姿に
不思議な魅力を醸し出す。
会場がうねるような大きなどよめきに包まれる中、舞台の上を胡燕はしずしずと優雅に歩いて行く。
東洋のキモノなる衣服をアレンジした「和風ヴィジュアル系」がコンセプトとなったその出で立ちは、個性的でインパクトの強いものだった。
薄く化粧を施した胡燕は、男性とも女性ともわからない妖しげな魅力に満ち溢れ、いつしか女性達の瞳はハート型に変わっていた。
「最後になって超イケメンが登場しましたね!
わぁ、お肌も透き通るみたいに綺麗ですね。
何か特別なお手入れでもなさってるんですか?」
胡燕は、その質問には答えずただ美しい微笑を返すだけだった。
「それは秘密ってことですね。
では、会場の皆さんへアピールをお願いします。」
胡燕は、会場に向かって、再び優雅な微笑を浮かべ頭を下げた。
ちょうど、その時、李雲からのウィンクの合図をみつけ、胡燕はゆっくりと片目を瞑る。
「きゃああーーーーーー!!」
ウィンクの飛ばされた方向の客席から、数十名の失神者が出たことに、李雲はほくそ笑む…
(これはイケる…!優勝間違いなしじゃ!!)
李雲の思惑通り、胡燕は何なく一次審査を通過した。
当然のことながら、楊俊も通過した十名の中に名を連ねていた。
「胡燕殿、次は水着審査ですぞ。
ささ、早くこれにお着替え下さい!」
胡燕は困惑の表情を浮かべつつ、李雲に手渡されたものを手にカーテンの裏へ入って行った。
「きゃあああーーーーー!」
場内から聞こえてきた黄色い歓声に、李雲が舞台の袖からそっと会場をのぞくと、そこには爽やかな海パン姿の楊俊が、小道具のサーフボードを抱えて立っていた。
日焼けした小麦色の肌に白い歯がきらりと輝く。
(楊俊様は今年もやはりさわやか路線で来ましたな。
これなら勝てる…絶対に…!)
李雲は、拳を握り締めてガッツポーズを決めると、不気味な笑みを浮かべた。
「次は、50番、胡燕さんの登場です!」
その名を聞いて、早くもファンになった女性達の黄色い歓声が飛び交った。
だが、胡燕が登場すると場内の歓声は静まり、低くどこか不気味な男性達の溜息に包まれた。
女性達は、目のやり場に困り、顔を赤らめながら両目を隠し、指の間から舞台そっとのぞき見る…
そんな中、真っ白な褌姿の胡燕がゆっくりと舞台の中央に進み出る。
(なんだ、なんだ、この異様な雰囲気は…皆、ひいてるのではないか?
……あぁ、早く終わってくれ…)
逃げ出したい想いをぐっと堪える胡燕の表情は憂いに満ち、筋肉質の細マッチョな身体の褌姿に
不思議な魅力を醸し出す。
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