Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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086. 途方に暮れる

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「そ…そ…そんな……」

「私……パーティー行くのやめる!」

「お…俺も、行かない…
パーティ、行かない。」

「おまえ達、わかってるのか?!
今更、そんなこと言ったら、一体どんなことになるか…」

真澄さんは外見からは想像もつかない程の怪力の持ち主。
それはさすがのメリーでも敵わない。



「じゃ…じゃあ、どうするのん?
また、この前みたいなことになるのん?」

「いや…俺だってあんな想いはもうしたくない…命は惜しい…
……そうだ!!」

「何?何を思い付いたのん?」

アヤとメリーは息を飲んで世夜の次の言葉を待った。



「真澄さんにケーキを作らせないようにするんだ!」

「なるほど…!
そうすれば、食べなくて済むってわけよね。」

「でも、どうやって?
誕生日までには、まだ4日もあるのねん。」

「それはだなぁ…」

三人は、頭を突き合わせて密談を始めた。

ケーキは、おそらく前日の3日に作るつもりだろうと思われたが、とにかく少しでも作る時間を減らすため、この連休は毎日真澄さんを呼び出すことにした。
早速、アヤが真澄にメールを送信する。
昼間はアヤとメリーが真澄さんをU●Jに誘い出してたっぷり遊んで疲れさせ、夜は世夜も合流してゲーセンに行く事に決まった。
アヤのメール送信後、落ち付かない気分で返信を待つ三人の元へ真澄からのメールが届いた。
返事はOK。
三人はホッと胸を撫で下ろす。

明日の夜にはあさっての約束をし、あさっての夜にはしあさっての約束をして、ケーキを作る時間を与えない作戦の第一関門は無事に突破出来たようだ。







「今日は楽しかったね~!
また明日も遊ぼうよ!」

「良いけど…それなら、皆うちに来て泊まれば?
今、うちは誰もいないし…」

「最近なんだか親がうるさいし…今日は帰る。」

「俺も。」

「俺もなのねん。」

「そうか、じゃあ、明日はどうする?」

次の日の予定もすんなり決まった。
そして、次の日も真澄さんに三人の意図を悟られることなく楽しい休日を過ごす事が出来た。
しかし……



「じゃあ、真澄さん、明日はどこに行くのねん?」

「明日は駄目だな。」

「え…?!」

「明日は、俺、家で用があるんだ。」

「じゃ、じゃあ、皆で真澄さんの家に遊びに行こうか?」

「……駄目。悪いけど、明日は遊べない。」

その言葉の意味することを三人は理解した。
すなわち、明日…恐ろしいものが作られるということだ…
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