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096. 極光(オーロラ)
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ここしばらくは特にこれといった珍しい話を耳にすることもなく、私は足の向くままに旅をしていた。
今回たどり着いたのは、特徴のない小さな町だった。
手付かずの自然が、心を穏やかにしてくれる。
それしかない町であり、それが取り柄だといえる町でもあった。
(今夜はこの町で泊めてもらえる所を探そう…)
こんな町によもや宿屋なんてものがあるとは思っていなかったのだが、たった一軒だけ小さな宿があった。
「本当に助かりました。
この町に宿はないものと諦めておりました。
しかし、この寒さです。
どちらかのお宅に頼みこんで泊めていただくしかないだろうと考えていた所でした。」
「そうですね。
この寒さで野宿なんてしたら凍え死んでしまいますよね。
これでも、昔はここは賑わっていたんですよ。
宿もうちの他にも何軒もあって…」
私が怪訝そうな顔をしていたことに気が付いたのか、宿の主人は言葉を続けた。
「ここは、昔、オーロラの見える町として有名な所だったんですよ。」
「オーロラ…?
空に浮かぶあのオーロラですか…?」
「ええ、その通りです。
その頃は本当によく見られましてね。
この先に、『オーロラの丘』って名付けられた場所がありまして、そこには毎晩たくさんの人々が集まっては空を見上げて歓声をあげてましたよ。
ところが、ある時を境にぱたっと現れなくなってしまった。
何が原因かなんてことを学者の先生が言ってましたが、私にはそんな小難しいことはわかりません。
第一、オーロラが現れなくなった理由を知った所でどうなると言うんです?
ここはオーロラが見えること以外には何の取り柄もない町ですからね。
……それからは町も寂れる一方で、宿も一軒、また一軒と閉めて行きました。
私もやめようかと思ったんですが、生業としてではなく道楽として続けていくことにしたんですよ。
たまぁに来て下さるお客さんと話をするのが楽しくてね…」
今回たどり着いたのは、特徴のない小さな町だった。
手付かずの自然が、心を穏やかにしてくれる。
それしかない町であり、それが取り柄だといえる町でもあった。
(今夜はこの町で泊めてもらえる所を探そう…)
こんな町によもや宿屋なんてものがあるとは思っていなかったのだが、たった一軒だけ小さな宿があった。
「本当に助かりました。
この町に宿はないものと諦めておりました。
しかし、この寒さです。
どちらかのお宅に頼みこんで泊めていただくしかないだろうと考えていた所でした。」
「そうですね。
この寒さで野宿なんてしたら凍え死んでしまいますよね。
これでも、昔はここは賑わっていたんですよ。
宿もうちの他にも何軒もあって…」
私が怪訝そうな顔をしていたことに気が付いたのか、宿の主人は言葉を続けた。
「ここは、昔、オーロラの見える町として有名な所だったんですよ。」
「オーロラ…?
空に浮かぶあのオーロラですか…?」
「ええ、その通りです。
その頃は本当によく見られましてね。
この先に、『オーロラの丘』って名付けられた場所がありまして、そこには毎晩たくさんの人々が集まっては空を見上げて歓声をあげてましたよ。
ところが、ある時を境にぱたっと現れなくなってしまった。
何が原因かなんてことを学者の先生が言ってましたが、私にはそんな小難しいことはわかりません。
第一、オーロラが現れなくなった理由を知った所でどうなると言うんです?
ここはオーロラが見えること以外には何の取り柄もない町ですからね。
……それからは町も寂れる一方で、宿も一軒、また一軒と閉めて行きました。
私もやめようかと思ったんですが、生業としてではなく道楽として続けていくことにしたんですよ。
たまぁに来て下さるお客さんと話をするのが楽しくてね…」
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