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side 瑠威

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その甲斐あって、かおりは俺と付き合うことを了承してくれた。
 天にも昇る気持ちだった。
 嬉しくて、さっそく手を繋ごうとしたら、人前では二人のことは秘密にするようにと釘を刺された。
そんなのいやだって言いたかったけど、そんなことを言ったら、まるでガキが駄々をこねてるようだ。
ただでさえ俺はかおりよりうんと年下なのに、そんなことでますますガキ扱いされたくなかった。



 秘密にするなんて辛いことだけど…
でも、それでもかおりは俺と付き合うって言ってくれたんだ。
それだけでも良しとしなきゃな…そう思い、俺は渋々その条件を飲んだ。



その鬱憤を晴らすように、二人っきりの時は思いっきりいちゃいちゃした。
かおりのことを知れば知るほど、彼女への想いは強くなって行った。
それは俺だけじゃない。
 彼女もそうだと思う。
 俺と彼女の間にはいつしか強い絆のようなものが生まれていた。
そう…俺達の関係はとても順調で…
本当にうまくいってたんだ。
だから、俺はもっと先に進みたいと思った。
かおりともっと親密な関係を築きたいと思ったんだ。

 
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