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side 瑠威

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俺とはあんまり年は離れてないけど、望結のこともかわいく思えるようにもなっていた。
 気持ちだけはしっかり父親だった。



 早く正式に結婚したい。
 完全に、かおりを俺のものにしたい…そんな気持ちはどんどん強くなり、俺はそれをかおりに伝えた。



だけど、かおりは首を縦には振らなかった。



 「シュバルツがメジャーデビューしたら考えるよ。」



 痛いところを突かれた。
それを知ってるから、かおりもそんなことを言ったのかもしれない。



 確かにシュバルツのデビューは俺の夢でもある。
 19の時に、バンドをすることを反対されて家を出て、バイトをしながら大学に通い、そしてバンド活動を続けてきた。
それはけっこう大変なことで…
何度も大学をやめようかと思ったが、親への意地でどうにか卒業までこぎつけた。
いくつものバンドを渡り歩き、ようやく今の最高のメンバーに出会って出来たのがシュバルツだ。
この最高のメンバーで、デビュー出来たら最高だと思ってる。
その最高の日に、かおりと結婚することが出来たなら…



俺はもう他には何も望まない…!



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