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side かおり

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 「あぁ、気持ちよかった!」

 「今日の客はノリが良くて良かったな!」

ライブが終わり、楽屋へ戻った。
 皆、今日の出来には満足しているらしく、晴れやかな顔をしていた。



 「かおり…今夜のライブ、どうだった?」

 「もちろん、最高だったよ。」

 「だろ?今日は自分でも気持ち良いくらいに声が出たんだ。」

 瑠威も本当に良い笑顔をしている。


みんながメイクを落とし、着替えを済ませ、外へ出る時間が近付いてくると、なんとなく気持ちがそわそわした。
 望結はまた隠れて瑠威のことを見てるんだろうか?
 告白までしたのなら、そんなにこそこそせずにちゃんと会えば良いのに…



考えてみればおかしな話だ。
 瑠威のライブの誘いも断ってるっていうのに、変装して見にきて…しかも、告白するなんて…
でも、それが今の若い子なのかもしれない。
 私と望結とでは年代が違う。
 私の考えにあてはめてみたって、理解出来るはずがない。

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