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side かおり

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 「さぁ、飲むぞ~!」

 打ち上げはいつもの店だ。
 瑠威は私の胸の内なんて少しも知らずに、のんきにはしゃいでる。



 「お疲れ~!」

 「かんぱーい!」

グラスを合わせ、思い思いに酒と料理を楽しむ。
 外見とは裏腹に、あんまりお酒が好きじゃないオルガは、料理をつつきながらファンからの手紙を読んでいた。



 「えっ!!マジ…!?」

オルガが突然声をあげ、皆の視線がオルガに集まった。



 「どうしたんだよ。」

 「なぁ、小西…今日、スーツ姿の二人連れって見た?」

 「スーツ姿の…あぁ、確かいたよ。
ねぇ、かお姉?」

 私はすぐにうなずいた。
 私達のいたすぐそばに、スーツ姿のサラリーマンっぽい二人がいたのを覚えていたから。



 「あの二人がどうかしたの?」

 「ファンの子からの話なんだけど、それってレコード会社の人達じゃないかってうわさになってるんだって。
なんでも、この間のライブにも来てたそうなんだ。」

 「マジかよっ!?」

 大きな声でそう言うと、瑠威が私に抱き付いた。



 「聞いたか、かおり!?
メジャーデビューが決まるかもしれないぞ!
そしたら、俺達やっと結婚出来る!!」

 「瑠威…おまえ、メジャーと結婚どっちが嬉しいんだよ!」

 「どっちもに決まってんだろ!」

メンバーの顔はみな弾けるような笑顔だ。 
 
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