お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
144 / 506
031 : 操り人形師

しおりを挟む




 「な、なんだって!あいつが!?」

リュックは驚きの声をあげると、今度は苛々とした様子で悪態を吐き始めた。



 「しばらくおとなしくしてると思ったら、そんなことをしやがるとは…
あのくず野郎め!」

 「私も悪かったんだ。
つい、あいつを怒らせるようなことを言ってしまったからな…」

 「馬鹿野郎!
あんたが何を言ったか知らないが、じいさんが丹精こめて作った花壇を踏み散らかすなんて…最低だ!」

リュックの怒りはおさまらない。



 夜が更け、皆が各自の部屋に戻ってから、私はリュックの部屋を訪ね、先日の出来事を話して聞かせた。
こんなことが話せるのは彼だけしかいない。



 「リュック、聞いてくれ。
あいつは言ったんだ。
 多分、ピーターのことだと思うんだが、そんな昔のことなど忘れてしまえば良い…とか、なんとか…」

 「昔って…奴の過去に何かあったって言うのか?」

 「そうだ。
だが、過去とは言っても生まれる前のことだ。」

 「生まれる前…?
 生まれ変わりとかなんとかいうあれか?」

 私は黙って頷いた。



 「俺にはそこらへんのことはよくわからないが…
そういや、あいつは前からおかしなことをよく言ってたな。
クロワさんのことはずっと昔から知ってるようだったし、クロワさんを何度も殺したとも言ってたな。
それも、その過去の話なのか?」

 「おそらくそうだな。
 私も以前はそんなものがあるとは思っていなかった。
 魂は受胎した時に宿るものだと信じていた。
そう教え込まれていたからな。
だが、最近ではその考えが揺らいでいる。
あいつの言うように、過去生というものがあるような気がしているんだ。」

リュックにそう話しながら、私は自分の言葉の中に小さな疑問を感じていた。
なぜそんな風に思うようになったのか?
いつ頃からそんなことを考えるようになったのか……?



 「それで、ピーターの過去になにがあったんだ?」

リュックの質問で私は物思いをかき消された。



 「あ、あぁ、それは教えてはくれなかった。
だが、何かの偶然でその記憶が吹き出し、そのせいであんな状態になっているのだと…そのようなことを言っていた。」

 「畜生!
もっと詳しいことがわかれば、解決法もわかったかもしれないのに…」

 「すまない。私がもっとうまく聞き出すべきだった。
 感情的になったのがまずかったな。」

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ
ファンタジー
辺境伯爵家の次男シオンは八歳の頃から伯爵令嬢のサンドラと婚約していた。 我儘で少し夢見がちのサンドラは隣国の皇太子殿下に憧れていた。 その為事あるごとに… 「ライルハルト様だったらもっと美しいのに」 「どうして貴方はライルハルト様じゃないの」 隣国の皇太子殿下と比べて罵倒した。 そんな中隣国からライルハルトが留学に来たことで関係は悪化した。 そして社交界では二人が恋仲で悲恋だと噂をされ爪はじきに合うシオンは二人を思って身を引き、騎士団を辞めて国を出ようとするが王命により病弱な第二王女殿下の婚約を望まれる。 生まれつき体が弱く他国に嫁ぐこともできないハズレ姫と呼ばれるリディア王女を献身的に支え続ける中王はシオンを婿養子に望む。 一方サンドラは皇太子殿下に近づくも既に婚約者がいる事に気づき、シオンと復縁を望むのだが… HOT一位となりました! 皆様ありがとうございます!

【完結】 嘘と後悔、そして愛

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
伯爵令嬢ソニアは15歳。親に勝手に決められて、一度も会ったことのない10歳離れた侯爵リカルドに嫁ぐために辺境の地に一人でやってきた。新婚初夜、ソニアは夫に「夜のお務めが怖いのです」と言って涙をこぼす。その言葉を信じたリカルドは妻の気持ちを尊重し、寝室を別にすることを提案する。しかしソニアのその言葉には「嘘」が隠れていた……

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

処理中です...