la poupee

ルカ(聖夜月ルカ)

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la poupee pure ver.

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そうは思うものの、どうしてもその話がカミーユの心から離れなかった。
 違うということを確かめるために、カミーユはルイの言っていた店に行ってみることを決意した。
 裏通りにあるその店は、一目で普通ではない様相を呈していた。
 湿った音を立ててドアが開くと、中から狡猾そうな婆さんが出てきた。



 「お客さん、初めてだね。じゃ、指名はないね。」

 「…この店に、クロエという女はいるか?」

 「クロエをご指名かね。
 誰かの紹介かね?」

 「まぁ、そんなところだ…」

 「今、呼んで来るから待ってておくれよ。」

カミーユは狭い部屋に通された。
 女が来るのを待つ間にも、カミーユの鼓動が速くなる。



 (…まさか…そんなはずはない…
「クロエ」なんてどこにでもある名前だ…きっと同じ名前の別人なんだ…)

コツコツという階段を上がる靴の音が近付き、扉の前で止まったかと思うと、扉が開き真っ赤な大輪の薔薇が目に飛び込んできた。



 「クロエ…!!」

 「まぁ…驚いた…!
 誰かと思ったら、カミーユじゃないの。
あんた、まだ私のことを想っていたの?」

 「君じゃない!
 僕が愛してるのはクロエだ!」

 「なんですって…?」

 「すべてクロエから聞いた!」

 「おかしなことを言うわね。この私がクロエよ!」

 「違う!
 君はクロエなんかじゃない。
ルネだ!人形のルネだ!」

ルネは、カミーユを馬鹿にするかのように甲高い声で笑った。



 「そんな話、誰が信じるかしら?
この私がお人形だなんて…
今の私は血の通った人間よ。
ほら、触ってごらんなさいよ。
 懐かしいでしょ…
今の私は昔のクロエよりもっといろんなことを知ってるわ…
さぁ、いらっしゃい…」

 「よしてくれっ!」

 「無理しなくて良いのよ…
ほしいんでしょ…私の身体が…」

カミーユは思いっきりクロエの頬を引っ叩いた。



 「ルネ…君って人は…
クロエを裏切ったばかりか、クロエの身体をそんなことに使うなんて…
あんまりじゃないか!…」

 
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