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「あ…いた…」
「どうしたの?」
「さっきから、ここが痛くなるんだ。」
「だから言ったでしょ?
打った所が次の日に痛くなることがあるって…」
「…あ…」
「年を取ると、次の日じゃなくて何日かしてから痛くなることもあるらしいわよ」
「何日もしてから?!…人間って、複雑なんだね。」
「…複雑なのは人間だけじゃないのよ。」
そういうとルネはビセンテに小さく切ったじゃがいもを差し出した。
「食べてみて」
「………これはなんていう味?」
「おいしくないでしょ?」
「そうなのかな?
よくわからない…」
「…まぁ、いいわ…
とにかく、これも食べてみて!」
ルネはいろんなものを少しづつ切って、ビセンテに食べさせた。
それから、ルネは料理に取り掛かり、いろいろ質問をするビセンテに答えながらルネの料理はだんだんと出来上がって行った。
「さぁ、出来たわ!いただきましょう!」
「わぁ!いっぱい出来たね!」
ビセンテは食べる前から満面の笑顔を浮かべていた。
「はい、食べてみて!
でも、熱いのは気を付けるのよ!」
「わかってるよ!」
「……どう??」
「ルネ!これ、さっきと違う味だよ!」
「そうなのよ。
食べ物はね、煮たり焼いたりしたら味が変わるし、柔らかさも変わるし、調味料を使えば味もどんどん変わるのよ!」
「すごいね!まるで魔法みたいだ!」
「私、最初はそういうことがよくわからなかったから、かなり長い間おいしくないものを食べてたのよ。
もっとも、その時はそれがおいしくないものだってことも、よくわかってなかったんだけど…
あなたは私のおかげで私よりずっと早くいろんなことがわかるわ。
感謝しなさいよ!」
「本当に助かるよ!
ありがとう、ルネ!」
「…あなたって、本当に素直な人ね…」
その夜も、ビセンテはその日あったことを止まらない勢いでカミーユとクロエに話して聞かせた。
そんな無邪気なビセンテを見ていると、カミーユも身体を貸してあげて良かったと思えた。
こんなに喜んでもらえるとは思ってもみなかった程にビセンテはカミーユに深く感謝し、人間の生活を楽しんでいた。
幸い、自分にもこれといって差し触りはない。
ビセンテが満足するまで身体を貸してやろう…
カミーユはそんな風に考えていた。
「どうしたの?」
「さっきから、ここが痛くなるんだ。」
「だから言ったでしょ?
打った所が次の日に痛くなることがあるって…」
「…あ…」
「年を取ると、次の日じゃなくて何日かしてから痛くなることもあるらしいわよ」
「何日もしてから?!…人間って、複雑なんだね。」
「…複雑なのは人間だけじゃないのよ。」
そういうとルネはビセンテに小さく切ったじゃがいもを差し出した。
「食べてみて」
「………これはなんていう味?」
「おいしくないでしょ?」
「そうなのかな?
よくわからない…」
「…まぁ、いいわ…
とにかく、これも食べてみて!」
ルネはいろんなものを少しづつ切って、ビセンテに食べさせた。
それから、ルネは料理に取り掛かり、いろいろ質問をするビセンテに答えながらルネの料理はだんだんと出来上がって行った。
「さぁ、出来たわ!いただきましょう!」
「わぁ!いっぱい出来たね!」
ビセンテは食べる前から満面の笑顔を浮かべていた。
「はい、食べてみて!
でも、熱いのは気を付けるのよ!」
「わかってるよ!」
「……どう??」
「ルネ!これ、さっきと違う味だよ!」
「そうなのよ。
食べ物はね、煮たり焼いたりしたら味が変わるし、柔らかさも変わるし、調味料を使えば味もどんどん変わるのよ!」
「すごいね!まるで魔法みたいだ!」
「私、最初はそういうことがよくわからなかったから、かなり長い間おいしくないものを食べてたのよ。
もっとも、その時はそれがおいしくないものだってことも、よくわかってなかったんだけど…
あなたは私のおかげで私よりずっと早くいろんなことがわかるわ。
感謝しなさいよ!」
「本当に助かるよ!
ありがとう、ルネ!」
「…あなたって、本当に素直な人ね…」
その夜も、ビセンテはその日あったことを止まらない勢いでカミーユとクロエに話して聞かせた。
そんな無邪気なビセンテを見ていると、カミーユも身体を貸してあげて良かったと思えた。
こんなに喜んでもらえるとは思ってもみなかった程にビセンテはカミーユに深く感謝し、人間の生活を楽しんでいた。
幸い、自分にもこれといって差し触りはない。
ビセンテが満足するまで身体を貸してやろう…
カミーユはそんな風に考えていた。
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