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8:ロングソード
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「はい、今月分のお給料!
来月も頑張ってね!」
ディヴィッドがイケ面レストランに勤め始めてから瞬く間に一ヶ月の月日が流れた。
ディヴィッドは手渡された給料袋をのぞいて、その目を大きく見開いた。
「こ、こんなに…!?」
女主人は、にっこりと微笑みながら頷いた。
「あんた、なかなか評判良いわよ。
この調子で頑張って!」
「あ、ありがとう!」
ディヴィッドはその金を握り締め、すぐさま金星堂へ走った。
店はもう閉まっていたが、ディヴィッドはそんなことには構わずに、店の扉を叩く。
「誰だい、店なら今日はもう閉めた。明日にしておくれ。」
「そんなこと言うなよ!
俺だ、ディヴィッドだ!
あのロングソードを譲ってほしいんだ!」
「あぁ…あんたか…」
金星堂の主人は、ディヴィッドの名を聞くと扉を開けてくれた。
「遅い時間にすまないな!
今、給料をもらった所なんだ、それで…」
「あんた、そんなにあの剣がほしかったのか。
わかったよ、ちょっと待ってておくれ。」
金星堂の主人は、布に包んだロングソードをディヴィッドの前に差し出した。
ディヴィッドは布を取り、鞘から剣を引き抜いてその輝きにうっとりと見惚れた。
「本当に素晴らしい剣だな!」
「だろ?こんな良い剣、よそじゃこんな値段じゃ絶対に買えないぜ!」
「親父さん、ありがとうよ。」
ディヴィッドは代金を支払い、やっと念願のロングソードを手に入れた。
*
「見てみな!
やっとロングソードが手に入ったんだ!」
ディヴィッドはシシリアの目の前にロングソードをかざして見せた。
シシリアは剣に怯え、部屋の隅に逃げ込んだ。
「あ、驚かせてすまなかったな。
何もしないから…
これは、占い師の婆さんの頼まれ事のヒントになるものなんだ。
誰かを傷付けるために買ったんじゃない。
これを戦いに使うつもりはないんだ。」
その言葉に、シシリアは安堵した。
(やっぱり、この人は優しい人なんだわ…)
「これで、何かが変わるっていうか、きっと次のヒントに繋がる何事かが起こる筈なんだ。
給料も全部使い果たしたことだし、あと一ヶ月だけあの店で働かなきゃな…」
膝に座ったシシリアの頭を撫でながら、ディヴィッドは静かに呟いた。
来月も頑張ってね!」
ディヴィッドがイケ面レストランに勤め始めてから瞬く間に一ヶ月の月日が流れた。
ディヴィッドは手渡された給料袋をのぞいて、その目を大きく見開いた。
「こ、こんなに…!?」
女主人は、にっこりと微笑みながら頷いた。
「あんた、なかなか評判良いわよ。
この調子で頑張って!」
「あ、ありがとう!」
ディヴィッドはその金を握り締め、すぐさま金星堂へ走った。
店はもう閉まっていたが、ディヴィッドはそんなことには構わずに、店の扉を叩く。
「誰だい、店なら今日はもう閉めた。明日にしておくれ。」
「そんなこと言うなよ!
俺だ、ディヴィッドだ!
あのロングソードを譲ってほしいんだ!」
「あぁ…あんたか…」
金星堂の主人は、ディヴィッドの名を聞くと扉を開けてくれた。
「遅い時間にすまないな!
今、給料をもらった所なんだ、それで…」
「あんた、そんなにあの剣がほしかったのか。
わかったよ、ちょっと待ってておくれ。」
金星堂の主人は、布に包んだロングソードをディヴィッドの前に差し出した。
ディヴィッドは布を取り、鞘から剣を引き抜いてその輝きにうっとりと見惚れた。
「本当に素晴らしい剣だな!」
「だろ?こんな良い剣、よそじゃこんな値段じゃ絶対に買えないぜ!」
「親父さん、ありがとうよ。」
ディヴィッドは代金を支払い、やっと念願のロングソードを手に入れた。
*
「見てみな!
やっとロングソードが手に入ったんだ!」
ディヴィッドはシシリアの目の前にロングソードをかざして見せた。
シシリアは剣に怯え、部屋の隅に逃げ込んだ。
「あ、驚かせてすまなかったな。
何もしないから…
これは、占い師の婆さんの頼まれ事のヒントになるものなんだ。
誰かを傷付けるために買ったんじゃない。
これを戦いに使うつもりはないんだ。」
その言葉に、シシリアは安堵した。
(やっぱり、この人は優しい人なんだわ…)
「これで、何かが変わるっていうか、きっと次のヒントに繋がる何事かが起こる筈なんだ。
給料も全部使い果たしたことだし、あと一ヶ月だけあの店で働かなきゃな…」
膝に座ったシシリアの頭を撫でながら、ディヴィッドは静かに呟いた。
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