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ディーラスを目指して
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フレイザーは傷だけなら入院する必要はないとのことだったが、足をくじいていたこともあり、数日は診療所で静養し、足の具合が良くなってから出発することに決まった。
「フレイザー、何か食べるか?
食べたい物があったら買ってくるけど…」
「え…あ、いや今は良い。
それより、おまえ、宿に戻ったらどうだ?
長椅子じゃよく眠れなかっただろ?
俺は、大丈夫だから。」
「俺はそんなことなんともないけど…
……フレイザー、俺がここにいたらいやなのか?
なんだか、さっきから俺のこと避けてるみたいな気がするんだけど…やっぱり俺があんなこと話したから…?」
「ち、違う!そんなんじゃ……」
「……良いんだ…
そりゃあそうだよな、誰だってあんな話を聞いたら…」
フレイザーは慌てて首を振ったが、それでも不機嫌な顔をして身体の向きを替えたジャックの腕を、フレイザーが引き止める。
「待てって!…おまえは本当に気が短いなぁ…
……正直に話すから、待ってくれよ。」
いつになく弱気な声でそう言ったフレイザーに、ジャックは表情を堅くしながら振り向いた。
「ジャック……ごめん!」
突然の謝罪にジャックは面食らい、俯くフレイザーを黙ってみつめる。
「……なんで謝るんだ?」
「じ…実は……
……ほら…俺、昨夜言っただろ?
おまえのことを、女になる病気だと思ってたって…」
「あぁ、それなら聞いた。」
「それが病気じゃなくて、おまえは、その…本物の女だったって知ったら、あの…なんて言うか…えっと……」
顔を赤くして汗をかき始めたフレイザーを、ジャックは不思議そうにみつめた。
「だ…だからだな…
俺……見ちゃったんだぞ。
おまえが温泉に入ってる所を…
そしたら、なんだか急に恥ずかしいっていうのか、申し訳ないっていうのか…」
フレイザーの言わんとすることをようやく理解したジャックは、決まりの悪い顔をして頬を染めた。
「ば、ばか!
何を言い出すかと思ったら……そんなこと言ったら、俺の方が恥ずかしくなるだろ!
わ、忘れてくれよ!」
「そんなこと言ったって……」
フレイザーは、困った顔をして頭をかく。
「……フレイザー…
あの…俺のことは今まで通り、ジャックって男だって思ってくれないか?
俺はこれから先もずっとこのまま男として生きていくつもりだし……それに、もしも願い石がみつかったら…」
「石の力で男になるのか?
そして、復讐する気なのか?」
ジャックが話しきらないうちに、フレイザーは身を乗り出してジャックに訊ねる。
その問いにジャックはすぐには答えず、何かを考えるように深く俯いた。
フレイザーは傷だけなら入院する必要はないとのことだったが、足をくじいていたこともあり、数日は診療所で静養し、足の具合が良くなってから出発することに決まった。
「フレイザー、何か食べるか?
食べたい物があったら買ってくるけど…」
「え…あ、いや今は良い。
それより、おまえ、宿に戻ったらどうだ?
長椅子じゃよく眠れなかっただろ?
俺は、大丈夫だから。」
「俺はそんなことなんともないけど…
……フレイザー、俺がここにいたらいやなのか?
なんだか、さっきから俺のこと避けてるみたいな気がするんだけど…やっぱり俺があんなこと話したから…?」
「ち、違う!そんなんじゃ……」
「……良いんだ…
そりゃあそうだよな、誰だってあんな話を聞いたら…」
フレイザーは慌てて首を振ったが、それでも不機嫌な顔をして身体の向きを替えたジャックの腕を、フレイザーが引き止める。
「待てって!…おまえは本当に気が短いなぁ…
……正直に話すから、待ってくれよ。」
いつになく弱気な声でそう言ったフレイザーに、ジャックは表情を堅くしながら振り向いた。
「ジャック……ごめん!」
突然の謝罪にジャックは面食らい、俯くフレイザーを黙ってみつめる。
「……なんで謝るんだ?」
「じ…実は……
……ほら…俺、昨夜言っただろ?
おまえのことを、女になる病気だと思ってたって…」
「あぁ、それなら聞いた。」
「それが病気じゃなくて、おまえは、その…本物の女だったって知ったら、あの…なんて言うか…えっと……」
顔を赤くして汗をかき始めたフレイザーを、ジャックは不思議そうにみつめた。
「だ…だからだな…
俺……見ちゃったんだぞ。
おまえが温泉に入ってる所を…
そしたら、なんだか急に恥ずかしいっていうのか、申し訳ないっていうのか…」
フレイザーの言わんとすることをようやく理解したジャックは、決まりの悪い顔をして頬を染めた。
「ば、ばか!
何を言い出すかと思ったら……そんなこと言ったら、俺の方が恥ずかしくなるだろ!
わ、忘れてくれよ!」
「そんなこと言ったって……」
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「……フレイザー…
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俺はこれから先もずっとこのまま男として生きていくつもりだし……それに、もしも願い石がみつかったら…」
「石の力で男になるのか?
そして、復讐する気なのか?」
ジャックが話しきらないうちに、フレイザーは身を乗り出してジャックに訊ねる。
その問いにジャックはすぐには答えず、何かを考えるように深く俯いた。
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