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ディーラスを目指して
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「ありがとう…」
ブライアンは、ダルシャの入れたワインをゆっくりと飲み干した。
「やめたらせいせいするかと思いきや、意外な程寂しい想いを感じました。
でも、それはきっと僕がこんな暮らしをしているからなのだろうと思ってました。
何をするでもなく、ただ日々を無駄に暮らしているだけでしたから…
そして、もう二度とあの能力を使うのはやめよう…ようやくそんな風に決意した時に、僕はおかしな夢を見たんです。」
「夢……?」
「ええ……僕は透き通った紫の石を手にしていました。
それが願い石であることはすぐにわかりました。
あたりは深い森…洞窟の奥に崩れかけた祭壇のような場所があり、石はその後ろに半ば土砂に埋まるような形であったのです。
次に僕はいつの間にか洞窟を出て、森とは違う場所を歩いていました。
目についたのは大きな教会…見事なステンドグラスの窓…明るい太陽の光が白い建物をオレンジ色に染めて…荘厳な鐘の音が響き渡り…
そして、ようこそディーラスへという看板が見えたのです。」
「君は夢でもそういった預言めいたことを感じる事があるのか?」
ブライアンは、俯き加減に首を振る。
「そんなことは初めてでした。
だからこそ、気になった…
この夢にはなにか意味があるのではないかと…
そして、思ったのです。
もしも、それが本当だったら僕はもう一度この能力と向き合ってみよう…
だけど、何もなかったら…僕はもう生きるのをやめようと…」
「ブライアン!なんてことを……」
ダルシャの言葉に、ブライアンは自嘲めいた笑みを口許に浮かべる。
「ここまで来て、僕は急に怖くなったんです…
命が惜しくなったわけではありませんが、それでも死ぬのはやはり怖い…
それに、仮に僕の見た通りに願い石があったとしても、これから僕はどんな風に僕の能力と向き合えば良いんでしょう?
女性に世話になって生きるのももういやだった…
そんなことをあれこれ考えているうちに、僕は真実を確かめることがとてつもなく怖く感じたんです。
本当であっても全くの間違いであっても、僕にとって良いことなんて一つもないような気がして…だから、僕はヘイレンまで来てそれから先に進めなくなってこんな所に…」
「そうだったのか…よく話してくれた。
……ブライアン、まずは食事をしよう。
考えるのはそれからだ。」
ダルシャは店員を呼びつけ、二人分の料理をオーダーした。
ブライアンは、ダルシャの入れたワインをゆっくりと飲み干した。
「やめたらせいせいするかと思いきや、意外な程寂しい想いを感じました。
でも、それはきっと僕がこんな暮らしをしているからなのだろうと思ってました。
何をするでもなく、ただ日々を無駄に暮らしているだけでしたから…
そして、もう二度とあの能力を使うのはやめよう…ようやくそんな風に決意した時に、僕はおかしな夢を見たんです。」
「夢……?」
「ええ……僕は透き通った紫の石を手にしていました。
それが願い石であることはすぐにわかりました。
あたりは深い森…洞窟の奥に崩れかけた祭壇のような場所があり、石はその後ろに半ば土砂に埋まるような形であったのです。
次に僕はいつの間にか洞窟を出て、森とは違う場所を歩いていました。
目についたのは大きな教会…見事なステンドグラスの窓…明るい太陽の光が白い建物をオレンジ色に染めて…荘厳な鐘の音が響き渡り…
そして、ようこそディーラスへという看板が見えたのです。」
「君は夢でもそういった預言めいたことを感じる事があるのか?」
ブライアンは、俯き加減に首を振る。
「そんなことは初めてでした。
だからこそ、気になった…
この夢にはなにか意味があるのではないかと…
そして、思ったのです。
もしも、それが本当だったら僕はもう一度この能力と向き合ってみよう…
だけど、何もなかったら…僕はもう生きるのをやめようと…」
「ブライアン!なんてことを……」
ダルシャの言葉に、ブライアンは自嘲めいた笑みを口許に浮かべる。
「ここまで来て、僕は急に怖くなったんです…
命が惜しくなったわけではありませんが、それでも死ぬのはやはり怖い…
それに、仮に僕の見た通りに願い石があったとしても、これから僕はどんな風に僕の能力と向き合えば良いんでしょう?
女性に世話になって生きるのももういやだった…
そんなことをあれこれ考えているうちに、僕は真実を確かめることがとてつもなく怖く感じたんです。
本当であっても全くの間違いであっても、僕にとって良いことなんて一つもないような気がして…だから、僕はヘイレンまで来てそれから先に進めなくなってこんな所に…」
「そうだったのか…よく話してくれた。
……ブライアン、まずは食事をしよう。
考えるのはそれからだ。」
ダルシャは店員を呼びつけ、二人分の料理をオーダーした。
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