557 / 802
石の巫女の護り人
11
しおりを挟む
「だから、さ……
ボクらがこうして呑気に旅していられるのは、ボクらの記憶を消してきたからじゃない。
そうじゃなかったら、ボクの家族も君の家族もずっとボク達のことを探すだろうし、それを思ったらボク達だって毎日心配じゃないか。」
「……じゃあ、俺達がここを離れる時には俺達の記憶を消していくってことか?」
「……う~ん…少し違う。
ジャックの記憶から君を消したらどうかって思うんだ。」
「俺の記憶を……!?」
フレイザーは丸い目をして、エリオットの顔をみつめた。
「……別れはもちろん君にとっても辛いことだと思うけど……
でもね……きっと、ジャックにとってはもっと辛いことなんじゃないかなって思うんだ。
だから……」
「……確かにそうだな。
そう出来るなら、俺も安心だ。
……うん、そうだよな……ジャックが俺のことを忘れてしまうなら……あいつに寂しい想いをさせることはない……うん、そうなんだ。」
フレイザーは、まるで独り言のようにそう言って、何度も頷く。
「ジャックのことはダルシャに頼んで、ダルシャの所で働かせてもらうか、それかセリナと一緒にエルフの里に行くっていうのも良いかもしれないよ。
そうすれば、君も安心出来るんじゃない?」
「……そうだよな。
ここを離れる前に、あいつのことをちゃんとしとかなきゃな。」
フレイザーはやけに神妙な顔つきをして呟く。
「大丈夫だよ。
ラスターもこの旅が終わったらダルシャの所で働く事になってるし、ダルシャに頼んでおけばまず心配ないよ。」
「えっ!?ラスターはダルシャの所で働くのか!?」
「何言ってるんだよ、この間……あぁ、そうか、君はあの時いなかったんだね。
まぁ、そのことについてはまたゆっくり話すよ。
とにかく……そういうことにしておこうよ。
あとどのくらいかはわからないけど……悔いのないようにジャックとは仲良くしといた方が良いと思うよ。」
フレイザーは、どこか困ったような顔をしてただ黙って頷いた。
(……悔いのないように、か……)
ボクらがこうして呑気に旅していられるのは、ボクらの記憶を消してきたからじゃない。
そうじゃなかったら、ボクの家族も君の家族もずっとボク達のことを探すだろうし、それを思ったらボク達だって毎日心配じゃないか。」
「……じゃあ、俺達がここを離れる時には俺達の記憶を消していくってことか?」
「……う~ん…少し違う。
ジャックの記憶から君を消したらどうかって思うんだ。」
「俺の記憶を……!?」
フレイザーは丸い目をして、エリオットの顔をみつめた。
「……別れはもちろん君にとっても辛いことだと思うけど……
でもね……きっと、ジャックにとってはもっと辛いことなんじゃないかなって思うんだ。
だから……」
「……確かにそうだな。
そう出来るなら、俺も安心だ。
……うん、そうだよな……ジャックが俺のことを忘れてしまうなら……あいつに寂しい想いをさせることはない……うん、そうなんだ。」
フレイザーは、まるで独り言のようにそう言って、何度も頷く。
「ジャックのことはダルシャに頼んで、ダルシャの所で働かせてもらうか、それかセリナと一緒にエルフの里に行くっていうのも良いかもしれないよ。
そうすれば、君も安心出来るんじゃない?」
「……そうだよな。
ここを離れる前に、あいつのことをちゃんとしとかなきゃな。」
フレイザーはやけに神妙な顔つきをして呟く。
「大丈夫だよ。
ラスターもこの旅が終わったらダルシャの所で働く事になってるし、ダルシャに頼んでおけばまず心配ないよ。」
「えっ!?ラスターはダルシャの所で働くのか!?」
「何言ってるんだよ、この間……あぁ、そうか、君はあの時いなかったんだね。
まぁ、そのことについてはまたゆっくり話すよ。
とにかく……そういうことにしておこうよ。
あとどのくらいかはわからないけど……悔いのないようにジャックとは仲良くしといた方が良いと思うよ。」
フレイザーは、どこか困ったような顔をしてただ黙って頷いた。
(……悔いのないように、か……)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる