681 / 802
ペルージャの獣人
20
しおりを挟む
*
「大丈夫?痛い所はない?」
「あぁ、大丈夫だ。」
ラスター達は、痺れて身体の動かない獣人を抱えて家の中に運んだ。
横になって休んでいた獣人は、しばらくすると話がしたいと言って起き出した。
「すまなかったな。」
「こっちこそ、すまなかった。」
長椅子に腰かけた獣人は、まだ痛々しく血のにじむダルシャの手に目を遣った。
「こんなもの、じきに治る……
それに私が勝手にやったことだ。
気にしないでくれ。
そんなことより…今更、なんだが……私はダルシャ、そして、こっちはラスター…エリオットだ。
君の名は?」
「え…お、俺は、ジュリアスだ。
それで…あんたらは何の用でここに来たんだ?
町の者に頼まれたのか?俺を始末するようにって……」
「違うよ!……あ。」
大きな声をあげたエリオットは、すぐに我に返り、気まずそうに俯いた。
「考えてもみろよ。
始末するつもりなら、エリオットはあんな手加減はしない。
あんたを黒焦げにしてしまうさ。
それに、こっちのお兄さんも剣の腕は確かなんだ。
あんたを殺そうと思ったら、簡単に出来たと思うぜ。」
「では。なぜだ。
俺を仕留めるのが目的じゃないのなら、なんでこんな所まで来たんだ!?」
「君に訊ねたいことがあったんだ。
実は、私達は事情があって、願い石を探す旅をしている。
ノーランシアで、君のことを訊きこみ、それで……」
「願い石?そんなもののためにここまで来たっていうのか?
獣人に会えば、命を失うかもしれないのに!?」
ジュリアスは、呆れた様子で目を見開き首を左右に振る。
「こちらもいろいろと訳ありでね。
それに……私達は今までにも獣人と出会ったことがある。
獣人には恐怖よりも親しみを感じているんだ。」
「獣人と…!?
どこの獣人だ?」
ジュリアスは身を乗り出し、酷く興奮した様子でダルシャをみつめた。
「どこって……イグラシアや…」
「フーリシアの獣人は!?」
「フーリシアでも会ったが……」
「フーリシアのどこだ!?」
「……ジュリアス…君はフーリシアの獣人と知り合いなのか?」
ジュリアスはその問いかけにはっとした様子で、長椅子に深く腰掛直して俯いた。
「大丈夫?痛い所はない?」
「あぁ、大丈夫だ。」
ラスター達は、痺れて身体の動かない獣人を抱えて家の中に運んだ。
横になって休んでいた獣人は、しばらくすると話がしたいと言って起き出した。
「すまなかったな。」
「こっちこそ、すまなかった。」
長椅子に腰かけた獣人は、まだ痛々しく血のにじむダルシャの手に目を遣った。
「こんなもの、じきに治る……
それに私が勝手にやったことだ。
気にしないでくれ。
そんなことより…今更、なんだが……私はダルシャ、そして、こっちはラスター…エリオットだ。
君の名は?」
「え…お、俺は、ジュリアスだ。
それで…あんたらは何の用でここに来たんだ?
町の者に頼まれたのか?俺を始末するようにって……」
「違うよ!……あ。」
大きな声をあげたエリオットは、すぐに我に返り、気まずそうに俯いた。
「考えてもみろよ。
始末するつもりなら、エリオットはあんな手加減はしない。
あんたを黒焦げにしてしまうさ。
それに、こっちのお兄さんも剣の腕は確かなんだ。
あんたを殺そうと思ったら、簡単に出来たと思うぜ。」
「では。なぜだ。
俺を仕留めるのが目的じゃないのなら、なんでこんな所まで来たんだ!?」
「君に訊ねたいことがあったんだ。
実は、私達は事情があって、願い石を探す旅をしている。
ノーランシアで、君のことを訊きこみ、それで……」
「願い石?そんなもののためにここまで来たっていうのか?
獣人に会えば、命を失うかもしれないのに!?」
ジュリアスは、呆れた様子で目を見開き首を左右に振る。
「こちらもいろいろと訳ありでね。
それに……私達は今までにも獣人と出会ったことがある。
獣人には恐怖よりも親しみを感じているんだ。」
「獣人と…!?
どこの獣人だ?」
ジュリアスは身を乗り出し、酷く興奮した様子でダルシャをみつめた。
「どこって……イグラシアや…」
「フーリシアの獣人は!?」
「フーリシアでも会ったが……」
「フーリシアのどこだ!?」
「……ジュリアス…君はフーリシアの獣人と知り合いなのか?」
ジュリアスはその問いかけにはっとした様子で、長椅子に深く腰掛直して俯いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる