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06 はじめて経験したこと
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「お、おいしい!!」
おなかの虫をやっつけるためのものですから、きっと酷い味だろうと思いながら私は手を付けたのですが、なんと、意外なことにそれはとてもおいしかったのです。
「おまえさん、相当腹が減ってたんじゃなぁ…
こんなものがうまいと感じるとは…」
「え……?!
腹が減ってた…?」
「そうなんじゃろ?
いつから食べてなかったんじゃ?」
そう言われても、人間の食べるものを食べるのは初めてだなんてことは言えません。
「あ……あぁ…えっと、1ヶ月くらいです…」
「何?1ヶ月?
……おまえさんは、本当に冗談が好きなんじゃな。」
どう答えて良いのかよくわからなかったので適当に答えたのですが、私の答えはどうやら冗談にとられるほど的外れなものだったようです。
そういえば、人間が長い間食べなければ死んでしまうということは知ってたのですが、その期間がどのくらいなのかということは詳しく知らなかったのです。
ご老人が「相当」とおっしゃったので、1ヶ月と答えたのですが、きっともっと少ない期間が「相当」なのでしょう。
それから、腹の虫のことについても教えてもらいました。
おなかが減った時にするおかしな音のことをそう呼ぶのだそうです。
本当に、おなかの中に虫がいるわけではなかったのです。
「しかし、おまえさん…
おかしな人じゃなぁ…どこか遠くから来なさったのかね?」
「じ、実は…そうなんです。
それで、このあたりの風習に疎くて…」
「腹の虫は、このあたりじゃなくとも言うと思うが…
もしかしたら、異国から来なさったのか?」
「そ、そうなんです!その通りです!」
「その割には、言葉はえらく流暢じゃな。」
「そうですか?!」
「おまえさん…もしかしたら、どこかで頭を強く打ったとか…
ものすごく恐ろしい想いをしたんじゃないのかね?!」
ご老人が何を意図してそんなことをおっしゃるのかわかりませんでしたが、私は適当に話をあわせておくことにしました。
「そうです!
ものすごく恐ろしい想いをしました。
そして、頭を強く打ちました。」
「そうじゃったんか…
可哀想に…
おまえさんはその時のショックで、頭のねじが少々緩んでしもうたようじゃな。
じゃが、心配することはない。
おまえさんは元々はきっとちゃんとした人なんじゃ。
話し方も物腰も上品じゃから、お金持ちなのかもしれんな。
そのうち、きっと頭がしゃんとする時が来るじゃろう…
なぁ~に、あせることはないさ。
ゆっくり治していけば良いんじゃ。」
そう言って、ご老人は私の肩を力強く叩かれました。
おなかの虫をやっつけるためのものですから、きっと酷い味だろうと思いながら私は手を付けたのですが、なんと、意外なことにそれはとてもおいしかったのです。
「おまえさん、相当腹が減ってたんじゃなぁ…
こんなものがうまいと感じるとは…」
「え……?!
腹が減ってた…?」
「そうなんじゃろ?
いつから食べてなかったんじゃ?」
そう言われても、人間の食べるものを食べるのは初めてだなんてことは言えません。
「あ……あぁ…えっと、1ヶ月くらいです…」
「何?1ヶ月?
……おまえさんは、本当に冗談が好きなんじゃな。」
どう答えて良いのかよくわからなかったので適当に答えたのですが、私の答えはどうやら冗談にとられるほど的外れなものだったようです。
そういえば、人間が長い間食べなければ死んでしまうということは知ってたのですが、その期間がどのくらいなのかということは詳しく知らなかったのです。
ご老人が「相当」とおっしゃったので、1ヶ月と答えたのですが、きっともっと少ない期間が「相当」なのでしょう。
それから、腹の虫のことについても教えてもらいました。
おなかが減った時にするおかしな音のことをそう呼ぶのだそうです。
本当に、おなかの中に虫がいるわけではなかったのです。
「しかし、おまえさん…
おかしな人じゃなぁ…どこか遠くから来なさったのかね?」
「じ、実は…そうなんです。
それで、このあたりの風習に疎くて…」
「腹の虫は、このあたりじゃなくとも言うと思うが…
もしかしたら、異国から来なさったのか?」
「そ、そうなんです!その通りです!」
「その割には、言葉はえらく流暢じゃな。」
「そうですか?!」
「おまえさん…もしかしたら、どこかで頭を強く打ったとか…
ものすごく恐ろしい想いをしたんじゃないのかね?!」
ご老人が何を意図してそんなことをおっしゃるのかわかりませんでしたが、私は適当に話をあわせておくことにしました。
「そうです!
ものすごく恐ろしい想いをしました。
そして、頭を強く打ちました。」
「そうじゃったんか…
可哀想に…
おまえさんはその時のショックで、頭のねじが少々緩んでしもうたようじゃな。
じゃが、心配することはない。
おまえさんは元々はきっとちゃんとした人なんじゃ。
話し方も物腰も上品じゃから、お金持ちなのかもしれんな。
そのうち、きっと頭がしゃんとする時が来るじゃろう…
なぁ~に、あせることはないさ。
ゆっくり治していけば良いんじゃ。」
そう言って、ご老人は私の肩を力強く叩かれました。
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